

おしゃれ工房You友(ゆ~ゆう) 大友 眞吾です
今回のご紹介は雨に濡れたら色が滲んでしまったパンプスです。
通常、靴やブーツって外で履くことが前提で、雨に濡れることも想定して作られるものです。
水に濡れた程度で色が滲むモノってあまりなかったのですが・・・最近多くなってきている気がします。
何年か前に大阪まで5回ほど皮革の勉強会に参加しました。
その勉強会でも皮革の色にじみや色の退色、水分が付着したときの不具合、ハイヒールのヒール部分の強度不足による折れなどのクレームが多くなってきていると言う話も出てきました。
最近ではクリーニング店で靴などを扱うお店も増えてきており、たとえばこのパンプスを洗ってしまったらそれこそ事故になってしまいます。
最近、服でも色落ちや色褪せがかなり早いもの、夏物衣料なのに汗をかいたら色が滲んできた、水洗いしたら色滲み、色移りしたという服が多くなってきていると思います。
品質は目に見えない部分ってとても多いんです。
今回のこのパンプスも、雨に濡れた程度で色が滲みだすなんて思ってもいなかっただろうし、手にとってしっかり確認したって水に濡れても色が出るか出ないかなんてことまではわからない・・・
店員に聞いたって雨に濡れることも前提に考えられて作られているから大丈夫!なんて答える事は出来ないでしょう。
革の品質だけではなく色も紫外線や光による耐久度も高いものを使いしっかりと固着させ長く愛用して頂けるよう考えて作っているのか、目で見えない部分はわからないからコスト削減のためにも省いて安価な商品を作っていくのか・・・
どんなコンセプトで作られているかはメーカーにしかわからないんです。
でも・・・その品質がわかる人達がいます。


それはクリーニング店なんです。
少し前までは皮革製品をクリーニング店が洗ったり染み抜きしたり塗装したりするお店はなかったんです。
皮革や毛皮製品は特殊なもので洗ったり染み抜きしたり出来ない、とされていたんですね。
皮革や毛皮を専門で扱う業者もありましたが・・・金額の割りにはあまり綺麗にならないと言う仕上がりも多かったんです。
それを洗って綺麗にしよう、染み抜きしよう、染め直そう、なんて考えるのはクリーニング店くらいではないでしょうか?
クリーニング店には服を洗ったり染み抜きしたりする技術があり、その技術を応用しながら皮革に取り組み始めたことで、今まで皮革業界で出来ないと言われていた常識をjほんの数年でいくつも変えて行きました。
クリーニング店は服同様、皮革を洗って染み抜きして形を修復し仕上げる事で色の堅牢度、縮み変形など実際に見て触って洗って行くことで品質が手に取るようにわかるんです。
ほとんどのメーカーは新品しか扱わないため、使われて傷んだもの、汚れたものを綺麗にする、特に剥げなどや色褪せなどはどんな高額品であろうとメーカー元では対応してくれません。
高額ブランド品などはお客様からするとメーカー元へ依頼するのがやはり安心なので依頼される方も多いと思いますが、依頼されたままの状態で当店へ依頼されるものもあります。
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http://yuuyuu.hamazo.tv/e2308761.html
このエルメス、もう3年も前にやったものなんですねぇ・・・月日が経つのって早い・・・
汚れが目立ってきたからメーカー元へクリーニング依頼したら艶もなくなり所々色が剥げたようになって帰ってきたとご相談されたエルメスのお財布です。
お客様からは・・・最初からお願いすれば良かった、とお礼のお電話を頂きました。
数十万円もの金額を出して買った新品がすぐに退色してもクレームになることってほとんどありません。
でも修復していくクリーニング店はお客様から今度は剥がれないように、退色しないように、とお客様からのハードルは高くなります。
高額なブランド物で新品でも退色しているのに退色しないようにって・・・っなんて思う部分もありますが・・・
それでもできる限り退色しないような染顔料を選び、簡単に剥がれないようにと頑張って工夫しているのがクリーニング店なんです!
どんな物でも新品時から不具合が出てしまっているものってあります。
今回のパンプスって雨で濡らしてしまったお客様の責任なのか、雨に濡れた程度で色に地味するようなパンプスを作ったメーカーの責任なのか・・・
私的には想定される使い方で不具合が出てしまう物は新品不良なのでは、と思っています。
でも、今回のパンプスは購入してから雨に濡れるまでにかなり履かれていますし月日も経っています。
雨に濡らさない限りわからない不具合でお客様からすると購入してすぐならまだ良いのですがある程度年月が経ってしまうとお店へもメーカーへもクレームが言い難くなってしまいます・・・
じゃぁ、自腹で直そうと思っても・・・直してくれるお店って少なくなりますし金額も結構かかってしまいます。
っと・・・書きたかった内容とかなり違ってしまいましたが・・・
今回は白い部分に赤い色が滲んでいます。
濃い色を薄い色で隠していくのってなかなか消えず白と赤が混色され色がくすみます。
あまり厚い塗装をすると風合いが変わりペンキを塗ったような風合いになったりします。
なので風合いに変化が出ないよう薄い塗装で直していくには赤い色を染み抜きして取っていきます。
例えば、1色の物を染め直すのと2色、3色使いの物を染め直していく物だと手間がかなり変わります。
色も3色作りシャープな境目で綺麗に塗装分けするためにはマスキングをして染めなおしていきます。
クリーニングも丸洗いをしていくのか、表面クリーニングのみにするのか、傷を修復していけばその分仕事が増えて行きますので代金もその分かかってくるようになります。
ただ、どんなに頑張っても新品に戻すことはできませんので使用感や傷などは残ることもありますし塗装をするにしても新品の物は新品の綺麗な革に塗装をしていきますが、当店でやっていく塗装は塗装をされている上をクリーニングし、その上へ同色の色を作り重ねるようにして塗装していきます。
今回はつま先の赤い部分に白い革が編みこむようになっており、さすがに根本は少し色滲みが残ってしまいましたが近くで見なければわからないレベルだと思います。
赤い色滲みもどうやら表面の赤の色が滲んでいましたので色止めも兼ねて表面を薄く同色の色で塗装したあと、光沢があまり変わらないようトップコートをしてあります。
塗装を綺麗に剥がしてから再塗装するお店はありまえんのでどこのお店も同じなのですが・・・
塗装が使ったら簡単に剥がれる、剥がれない、は依頼するお店によりかなり差があるようです。
結局何をお伝えしたかったんだろ・・・????????
まぁ・・・ここまで書いたし・・・いっか。。。
という事でパンプスの色滲み修復でしたぁ・・・(滝汗)