まずは洗う前に空干しします。
着物は湿気を嫌います。
湿気を含んだまま洗うと縮みや変形が出たりするのです。
湿気の少ない天気の良い日に干して湿気を取り除いてから
洗うのです。
当店は
屋内乾燥室があるので天気に関係なく空干しできます^^
和服のほとんどはネットに入れての単品洗いとなります。
和服の素材はシルクがほとんどで、色の堅牢度が低い物も多く、
色柄、汚れ具合で洗う時間を個々に設定して洗っていきます。
和服は、普通の服と同じように洗うと必ず縮みが出るので、
最低限の機械力での洗いが必要になります。
そのため襟、袖裏、裾周り、汗になる脇等は全部シミ抜きで汚れを落としてから洗っていきます。
紋なども色がくすまないようにシミ抜きをかけます。
一通りシミ抜きが終わったらネットに入れて洗いへ。
浴槽に液をためて、少し浸してから短時間洗い。
とにかく縮み、変形が出ないよう細心の注意を払いながら洗っていきます。
和服のクリーニング代がどの店でも結構高いのは、どこでもかなり手間をかけなければ
いけないからです。
乾燥機を使う事は絶対できず、どのお店でも自然乾燥させるしかないのです。
乾燥も理想は40度以下での自然乾燥。温度が高すぎてもダメなのです。
最低でも2日くらいはそのまま干して、仕上げは湿気の少ない天気の良い日に。
これが当店の仕事手順ですが、どこまでこだわって仕事をするかは店によって様々です。
和服のお手入れがなかなか出来ない人には、
「
無酸素パック」という保存方法があります。
ガラス繊維で作られた特殊な保存袋に入れ、
脱酸剤で無酸素に。
酸素の変わりに
窒素ガスを入れて保存パックします。
酸素がないので酸化黄変や変色も
することなく、当然カビも生えません。
※ 光、紫外線、酸化以外の変化は出ることがあります。
保存代金は着物、帯、襦袢の3点パックで3500円^^
メーカー保証は3年。ただ、穴をあけない限り無酸素状態は続きます。
保存パックを利用することで、成人式の振袖とか、七五三の着物とか、ウエディングドレスなどを
自分の子供や孫に受け継がせてあげることもできますよ