クレージュ綿ワンピース 復元洗い参考価格
12000円(税込み13200円)
服のブランド、素材、デザイン、色柄によって金額は変わるためお見積りとなります。
着られない状態になっている服の場合、保険適用で保証は商品としての価値が算出できないため保険対象外となってしまいます。
復元洗いは通常クリーニングとは全く異なり、リスクもかかる洗い方法になるため保証できないことをご了解頂けた場合のみ、できる限りの努力をさせて頂きます。
おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友眞吾です。
(今回は試験的に大きな画像で投稿しています(笑))
今回のクレージュワンピースのお客様からは、もう一着クレージュのワンピースと白いジャケットの3点ご依頼いただきました。
その中の一点をご紹介ですが、まずは仕上がり後にLINEで頂いた喜びのメッセージのご紹介です^^
昨日、クリーニングして頂いた服を受けとりました。
すご~い!こんなにキレイになる⁉️もう新品じゃん❗
という感想です。
気に入っていた服なので捨てなくて良かった。
クリーニングお願いして良かったです。
本当に本当にありがとうございました❗
お預かりしたワンピースは黄ばみなどが出始めてから10年以上は経っているとのこと。
先日、持ち込みにてご相談の客様が、色褪せてしまったダウンコートを持ってこられたのですが、もう寿命ですか?っと聞かれました。
繊維はまだ大丈夫。でも色が褪せたり広範囲に黄ばんだりしてしまうと服としては着られなくなります。
着られなくなるわけじゃないですね。着たくなくなる、のほうが正しい表現かな。
繊維自体が大丈夫であれば服としては着ようと思えば着られますから。
クリーニングに出していても、どうしてこうなってしまうのか・・・
これは品質表示を見るとわかります。
素材を見ると本体は綿。白や薄い色の綿製品はドライだけではなく水洗いもしていかないと白さを維持するのはとても難しいんです。
そしてこの品質表示は服の保証書の役割をしています。
メーカーがクリーニングテストをし、不具合が出ない洗い方を記されているもので、指定通り洗って不具合が出た場合、メーカー保証が受けられます。
電化製品の保証書と同じ役割ってことです。
右側画像の一番左、桶のマークが水洗いですが、ここに☓が付いている場合、基本水洗いされることがないんです。
水洗いされないとシミ抜きで除去しない限り汗は取れずにそのまま戻ってきます。
3~4シーズン程度で、白なら色はくすむし脇や衿なども黄ばみ、色のくすみが出てきてしまいます。
大好きだった服も黄ばんできたり脇の黄ばみが見えてしまった時点で着たくなくなってしまいますね。
でも捨てられないからしまっておく。すると更に黄ばみやシミが濃くなってしまう・・・
今回のお客様も同じようにしまってあり、当店を知ってご相談をくださっています。
ゆうゆうの復元洗いは、復元洗いという漂白洗いのような工程をするだけではありません。
復元洗いはお預かりした服のシミや変色をできる限り除去していく洗い方法です。
実際の説明とは違った工程になることも当然あり、洗いながら状態を見て臨機応変に対応していく洗い方になります。
今回の場合だと、一番注意すべき点は、青っぽいストライブ。
技量のある同業の方ならわかると思いますが、染料の中で青系の色って分解されやすい色なんです。
色が落ちたり、変化したり、滲んだりしやすい色ってことですね。
だから、このワンピースも風合いや色を目や手の感触で確認しながら洗い、変化が出た時すぐ対応できるよう一点手作業で洗っています。
保証は出来ない、とお受けしていますが、ダメにならないよう最善を尽くして洗っています。
一度の工程で綺麗にできたとしても1点にかかる時間は最低でも40分。
工程を何度か繰り返さないと綺麗にできない場合、80分、120分、中には数日にわたって手をかけていく事もあります。
クリーニング店で取れない、断られた服を簡単にきれいにすることはできないんです。
ここまで手間をかけないと出来ない仕事になるから、取れないし断られるんです。
という事で、クレージュワンピース、復元洗いです。
大好きだったけど着られなくなったワンピース・・・
またとっておきの時間に着ていける服になりました^^
薄い黄ばみと濃い黄ばみが出る原因は?
今回のワンピースだけではなく、クリーニングに依頼していても黄ばんでしまう服はたくさんあります。
黄ばむ一番の原因は残留している汚れです。全体が黄ばむのは空気中の酸素による酸化が原因。
汚れ(酸化物)が付着していると、その部分のみ酸化が早く進むため黄ばみが早く出てしまいます。
今回のワンピースはそれがよくわかる事例です。
全体的にうっすらとした黄ばみが出ていますが、脇部分はかなり濃くくっきりと汗による黄ばみが出ています。
酸化されやすいモノから黄ばんだりなど変化がでてくるんです。
脇などは汗と一緒にでている分泌物が付着するためほかの部分より早く酸化するため濃く黄ばんでしまうんです。
クリーニング出してるのに服全体が黄ばむのは・・・
空気中の湿気に溶け込んでいる汚れを湿気と一緒に服が吸い込んでいます。乾燥すると水分は消えてなくなるけど溶け込んでいた汚れが残留していきます。
この汚れは水溶性の汚れになるためドライクリーニングでは落ちないんです。
この汚れの蓄積により服が黄ばんだりしていきます。
ドライクリーニングしかできない服の場合だと、水溶性の汚れは落ちないので水溶性の汚れが残ったまま熱乾燥、仕上げとされてしまいます。
汚れが残った状態で熱をかけると酸化速度が急激に上がるため一気に黄ばんでしまったりします。
ウール製品は基本ドライクリーニングになるので白いセーターは必ず黄ばんでいきますね。
この黄ばみもかなり取ることができます。
クリーニングでシミが付いて戻ってきた?
クリーニング店でシミがついて戻ってくる事って基本ありません。
ほとんどの場合、着用中に付いている目に見えないシミか、出す前には気が付いていなかったしみです。
例えばリンゴってそのまま置いておいても色は変わらないけど皮をむくとすぐに黒ずんじゃいます。
リンゴの皮をむくとリンゴに含まれている酸化されやすい成分(ポリフェノールなど)が表面に出て酸素に触れるため酸化(酸化発色)し色が変わります。
リンゴを食べている時、ポロっと服に落としてすぐ拾うと、その時には見えていないけどリンゴの成分であるポリフェノールなどが付着します。
その時には目に見えていない状態ですが、時間とともに発色して見えるようになります。
下の方に点々とあったシミは最初は気にならない程度の薄いシミだったのがしまって置いたらどんどん濃くなってきたとおっしゃっていましたが、時間とともに酸化が進み濃く発色(酸化発色)した状態です。
クレージュワンピース 黄ばみ取りまとめ
今回のワンピースが特別ではなく、同じような状態になってしまっている服のご相談はめちゃくちゃたくさんあります。
綿製品ってシミが付くと洗うだけでは落ちない、シミや汚れが落ちにくい素材です。
でも、手の掛け方次第で30年、40年前のしみでも綺麗に落とすことができる素材でもあります。
今回もかなりの時間と手間をかけて洗っていますが、通常のクリーニング代金でここまでの手間はかけることができないんです。
手間のかかる分を代金に換算したのがお見積りとなります。
今回のワンピースは青いストライプの色落ちや白けが一番のリスクです。
ストライプの色落ちに注意しながら黄ばみの落ち具合を観察し、薬剤の配合や温度を調節しながら復元洗いをしています。
このワンピースは表示を確認した時、素材とか洗い指定も見て洗い方法を考えていますが、それ以上に日本製、と書かれています。
日本製ってだけで、大丈夫だなって安心感があります。品質が良い服が多いと思います。
高額ブランド品でもブランドごとに注意、要注意ブランドとあり、要注意ブランドの場合だと状態によってはお受けできないと説明させていただくこともあります。
このワンピースが綺麗にできた一番の理由は、しっかりした服つくりがされていたから、です。
どんなに技術があっても、水洗いするだけでダメになってしまう服つくりをされていたら綺麗にはできませんから・・・