バッククリーニング・染め直し参考価格(2021年3月現在・税抜き)
革バッククリーニング 8500円~
クリーニング・補色 13000円~
クリーニング・リメイク 18000円~
補色はクリーニング後に同色で均一に色をのせていきます。(一度染め)
傷みがひどい場合、ひどい箇所がある場合、綺麗に色が直らない部分、しみがある部分は完全には消えない部分が出ます。
表面の汚れがひどい場合、傷みや傷などがひどい場合など、下地直しが必要な場合はリメイクとなります。
角部分など革自体がかなり傷み毛羽立ちなどが出ている場合で補修・下地直しが必要な場合は別途代金がかかります。
今回のバックリメイク参考価格 18000円
修復内容はわからないからお任せします、というご依頼でしたので、当店の判断でリメイクしています。
おしゃれ工房You友 大友 眞吾です。
今回は初めてご来店の男性のお客様からのご相談。
クリーニング店を利用したことがない人だと、どうやって依頼すればいいんだろ?って不安要素があると利用するのに迷うってありますよね。
依頼するにしてもクリーニング店ってどんなモノ出したらいいんだろ?こんなの出してもやってくれる?シミをとってほしいけどなんて言えばいいんだろ・・・などなど・・・
ましてやバックなんて、クリーニング店で洗ってもらえるとか、まさか色を直してくれるなんて今でも知らないって人とても多いです。
画像のバックですが、あっちこっち傷みがでています。お気に入りでずっと愛用されていたんだと思います。
ご依頼時、お客様からの言葉は 「こんな物でもできますか?」 の一言です(笑)
お客様もどうしたらいいのか、どう言ったらいいのかわからないですよね。
こんな時も必要なことはこちらからお聞きしますし、できる限りわかり易く説明をさせてもらいますから大丈夫です^^
バックをみて工程を考え・・・色も剥げているからクリーニングでは綺麗にできないこと、染色までしていった時のお見積りを出させて頂き、おまかせで受ける場合はお見積り金額で最善最適って思う方法で修復していきます。
黒ずみがひどい部分は色のくすみが残りますなど説明は今回はせず・・・綺麗になりきらない部分もあるかと思うけどできる限りやってみます、とお受けしています。
説明聞いたって何をどうしたらいいかわからないだろうし、私自身も実際の工程は思い通りにならないこともあります。
バック一つ一つ全て状態が違うし修復方法も状態によって違います。
下地を直す、固着を強くするように下地を作る、染料、顔料をどう使っていくか等・・・
染料、顔料は水性と油性がありそれぞれ特性があります。色の入れ方も刷り込む、入れ込む、重ねるなど方法により傷んだ部分の色の入り方も変わるし固着力の強さも変わります。
丁寧に説明していってもお客様には理解できないこともたくさんありますから・・・ある程度はこちらの判断。
実際には説明とは違ったことをやることもあるし、説明以上のことをやっていくこともあります。
ということで、今回は18000円で私の判断で当店におまかせ修復です^^
今回はかなり使い込まれているバックでしたので、ドライ洗浄で油分を落とし、同時に薄く全体に革に必要なオイルを入れています。
オイルが表面の残ると塗料が剥がれやすくなるので、油分を入れた後にもう一度洗剤で洗浄し汚れと表面の油分を取っています。
お客様には見えないし、説明されないとどうしてこんな手間かけているのかわからない部分です。
この辺りはそのお店の考え方と取り組む姿勢次第・・・いいお店に依頼すればいい状態なるようなお手入れもしてもらえます。
先日ZOOMで話をしていた時、革クリーニングを教えてほしいと聞かれアドバイスをした時のこと。
お客様から「仕上がった革の風合いがとてもいい!!」って喜ばれる理由がわかった!!って言っていました。
アドバイスで話したことと同じことをやっていた、工程の理由も説明すると感激していました!
私に、ではなく自分でちゃんとやっているじゃん!!って事に感激していたんですが(笑)
油分(ワックス)を入れ、わざわざ入れたワックスを取ってから染色する。
理由を説明すれば当然のことだけど、手間がかかるからやらない、ではなく気が付かないからやれない、教えてもらってないから気が付かないって事がほとんどじゃないかな。
色入れも同じく、3回、4回と分けて入れています。経験から、分けて入れたほうがいい理由があるんです。
画像部分は傷みが激しかった部分ですが、簡単に色を乗せても傷になっている内側部分まで塗料が入り込まない、毛羽立っている部分が収まらず傷みとしても毛羽立ちや傷が目立つ状態で残るなど・・・
色を入れるにしても革の状態に合わせて入れ方も変わります。革の表面を整えた後、より固着が強くなるようプライマーという樹脂を入れたり、下地を作ったりして簡単に剥がれてこないような染色をしています。
私は革の修復は全て独学でやってきていますので、この辺りの技術は当店独自の技術です。
顔料色は光、紫外線により色が分解されていくし色褪せたりしていきますので、できる限り色変化が出ないよう、紫外線による耐久度、光による耐光度とも世界でもトップクラスの顔料を使っています。
画像部分は表面がスレにより革自体が削れているのですが、革の表面のシボ(凹凸)がどこまで削れてしまっているかで直り具合が変わってきます。
スレにより凹凸が完全になくなっていると染色しても凹凸は復元されず平になってしまうため風合いも色合いも変わってしまいます。
どこまで新品時に近つけれるかは傷み具合次第・・・
革がむき出しになっている部分は、色がしっかり残っている部分と比べ染顔料の染み込み具合が変わるため色ムラが出てしまったりします。
均一に染まるよう、下地材を全体に入れ、均一に染顔料が乗るよう作っています。
下地剤も自分で作っていくため組み合わせは無限にあり、乾いても固くならず、下地剤自体が染顔料で染まる下地を形成。
これで革の表面もかなり修復でき、色も均一に染め直すことができるようになります。
角部分は一番傷みやすい部分。
革がむき出し、毛羽立ちも出ているため、革の表面を直し、下地材を入れっと4箇所直してから染色です。
前回のエルメスガーデンパーティーの記事でも説明していますが、角部分は下地材も少し硬くなるけど上手なものを、塗装も3~4重に、トップコートも塗り重ねて丈夫なコートを作っています。
これも私の経験から強化しています。
角部分のみの修復って一番傷む部分だから同じバックの修復って出てくるんです。使えば傷みますからね。
お客様には革が出てくると傷んじゃうから革が出てくる前に直していくと傷まずに住みます、っと説明をしています。
なので、剥がれて色が変わってきた時点で再度角部分のみ補修って依頼があるんです。
特にクロエのナッパ素材などとても柔らかい革は風合いはいいんだけどすぐ傷む・・・
角部分のみ固くなるし光沢も少し変わるかもしれないけど、丈夫に補修する?ってお客様と相談したところ、角だけなら固くなっても丈夫にして欲しい!ってふたつ返事で返ってきたことがこの強化をするようになったきっかけですが、お客様から喜ばれている補修の一つです^^
ある人は、バック1つの染め直しは20~30分もあればできる!って前に言っていたのを覚えています。
どんな工程でやればできるんだろ・・・?って。今回のバックも一度目の洗いから乾燥で3日程度、洗剤で洗浄して乾燥でまた3~4日程度、下地処理、補修と色入れる前の作業も乾いてから次の作業になるので乾燥に2~3日、その後で染色、確認後に染色の補修、トップコートして、熱仕上げ・・・
洗い、修復、染色など一つひとつの工程は乾燥してから・・・って考えている当店では無理かな・・・
当店性質上、もっと簡単に安くって言うご希望にも今現在では応えられません・・・
安く早くやってくれるお店もありますから、クリーニングだけではなくバックなど皮革製品もお客様の希望に沿ったお店へと出し分ける時代ですね^^