エルメスガーデンパーティクリーニング参考価格（2021年2月現在・税抜き）
エルメスガーデンパーティクリーニング 12000円～
シミ抜き、、角の色剥げ修復は別料金となります。
しみ抜きはお見積りとなります。
角部分の色入れは色入れのみの場合、1箇所3000円～
クリーニング＋染色の場合は1箇所2000円～が目安となります。
今回のガーデンパーティ参考価格 28000円
クリーニング、表面生地コーティングの黄変直し、角色入れ
全体、部分的に問わず色を染色塗装で直した場合、正規品とみなされなくなる、と言われています。
色直しをしてリサイクルショップ等に持ち込まれた際も正規品として扱われなくなる可能性がありますが保証等は一切できません。
販売目的ではなくお客様が愛用していくための補修としてお受けしています。
正規品として補修をご希望のお客様はメーカーへご依頼をお願いします。
おしゃれ工房You友（ゆうゆう） 大友 眞吾です。
今回はエルメス・ガーデンパーティ、表面の黄変直しのご相談です。
これ、ご相談がめちゃくちゃ多いんです。
先日も同業の方とZOOMで秘密の作戦会議（笑）をしていた時のこと、技術系の話をしていたときに何気なく出てきた話がメッチャヒントになることがあり・・・今回のガーデンパーティを修復方法を編み出したんです！（笑）
遠く離れた人と簡単に作戦会議ができるようになったって、コロナのおかげ・・・悪いことばかりじゃないじゃん！！って楽しく利用しています＾＾
このコーティングの変色は改善できるもの、できないものがあるため、ご紹介をあまりしていない事例の一つだったのですが、どこまでできるかはまだ未知数・・・これから事例数を増やしながら改良していこうって思っています＾＾
それともう一つ、このバックに限らずですが、使っていくと角部分の色が剥がれてきます。
補修はできるのですが、ブランドからは、ブランドとそしてのデザインを壊す行為として、色を入れる行為はコンプライアンス違反、と言われていますので、修復後のこれらのクレームは一切受けられません。
最近だと、販売目的で業者様からの依頼や売ることを目的として直す、等増えてきていますので・・・
当店でお受けする場合は正規品とはみなされなくなること、クレームは一切受けられないということをご了解頂けるお客様のみ、お受けさせていただくことになります。
大切なことなのであやふやな言い方をせずに書かせてもらいました。
どんな物でも新品に戻すことはできませんから・・・
さて、このガーデンパーティですが・・・
このコーティングは汚れにくくなるよう、繊維の表面をコートし、たとえ汚れても拭き取れば取れる、っ目的でコーティングされています。
このコーティングは簡単に言えば接着剤を表面に塗り繊維の目を固めています。付着した汚れは繊維に染み込まなければ拭き取れば取ることができます。テーブルにこぼした汚れは染み込まないので拭き取ればきれいになるのと同じですね。
でも接着剤ってはみ出した部分とか、例えばバックなど縫い目付近など時間が経つと黄ばんできたりしますよね。
プラダのナイロンバックは縫い目の周りが全部黄ばんでしまったり、などよく見かけます。
これらに使われている樹脂って目的に合わせて色んなモノに使われ、用途に合わせて色んな形状に変化もしていきます。
例えば、プラスチックも樹脂だし、柔らかいソフト人形も樹脂。合成皮革も樹脂だしゴムも樹脂。
色んな樹脂があり組み合わせれば無限大に色んな樹脂が作れるんです。
ということで・・・そんな話も交えながら・・・エルメスガーデンパーティのコーティングの黄変修復です＾＾
革がついているので、作業や薬品などで革が損傷しないよう、画像はマスキングした状態。
ここから作業が始まっています＾＾
革には使えない薬品もあれば、革を色付けている塗料が溶けてしまう薬品もあります。
なので、マスキングは革の内側まで爪やヘラなど使って押し込むように入れていきます。
まずはこの作業・・・メッチャ手間かかります・・・
バックとかお財布をリメイクするときには当たり前にマスキングしていきますが、これも依頼したお店の方法次第。
あくまで、当店の場合として見てくださいね。
修復工程は・・・色々と順番にやっていますが家庭で参考にできることはないので割愛・・・
こちらは修復後の画像になります（笑）
今回の修復作業で色んな気づきもあり、まだ大まかですがマニュアルも作っています。
一番注意したい点は、安全な方法であること。
店主一人が全てやっていくわけではないから、危険が無いことが一番に考えています。
作業前と見比べて頂くとわかりますが、全体が黄ばみの中にポツポツと黄色い点状のシミが無数にあったんです。
これはコーティングの黄ばみ、ではなくおそらく生地に生えたカビ・・・
まずは一番ひどかった部分をテストしてみて、このカビも取れる方法を考えて、全体修復へと手を広げていきます。
このバックをお受けするに当たりお客様にはご返品になる場合、テストした部分は他と比べ色が変わるってことの了解得ています。
テストした部分は取り切れなくても色合いがきれいになってしまうからです。
コーティングが邪魔して生地のカビまで届かない・・・この部分が第一関門でした。
妻、息子とも、バックを見た瞬間にメッチャ綺麗になった気がする・・・（笑）きれいになってるんだよ！！（怒）
私自身も見せる際、なんかメッチャきれいになった感じがしてるんだけど・・・どう？って聞いていますが（笑）
バックだってアイロン仕上げ！これも当店は仕上げているよってことです。
型崩れは直せないものもありますが、仕上げるとやっぱり違いが出ます。
こちらは色が剥げていた角部分。革製品全てに言えることですが、こうしたピグメント（顔料）で色つけている場合、革に顔料で塗膜を作るため革を保護、の役割もしています。
その上にトップコートをされると、もう一枚保護膜を作ることになるのでさらに革を保護することができます。
色が剥がれても革が露出する前に塗装、トップコートと修復していくことで革自体が傷むことを防ぐことができるんです。
何度でも塗膜、トップコートは作り直すことができますが、革自体が傷んでしまうと革の傷みを直すことはできなくなります。
この塗装はアイロンで熱圧着することでただ塗装するだけより強い塗膜になります。トップコートも同じ。
この一手間をかけることで強固な塗膜ができるので当店では必ず熱処理をしています。
当店では更にもう一つ、傷む部分て決まっているので、お受けする際にアドバイス。
見ての通り、角部分は誰もが気になる部分ですよね。塗装して直しても同じように傷むから、光沢とか色味が少し変わるかもしれないけど、厚めに丈夫な塗装とトップにしますか？という提案をしています。
今回は角部分のみの色入れですが、本体の染め直しの3倍程、塗料を重ねトップコートも少し硬くなるけど丈夫なトップコートを作っています。
当店の場合だとほぼ全員のお客さまがそれでお願いします！って依頼されています＾＾
お客様も見た瞬間、すごく綺麗になった！！！って感激してくれました＾＾
今回はオーダーで角部分の色直しまで受けていたわけではなく、お見積り金額内でできる限り修復していきます、とお受けしています。
お客様も二つ返事でお任せします！！ってご依頼頂けていますので、色直しも含め、できる限り修復させていただいたエルメスガーデンパーティです。
並べてみると色合いがまったく違うのわかりますね＾＾
今回の修復方法をヒントに、いくつか新しい方法というか技術を考えています。
クリーニング業界ではおそらく誰もやっていない方法・・・久しぶりに面白い・・・（笑）
当店もコロナでダメージ受けているけど、コロナのおかげで何年かぶりに面白い技術開発に取り組む事ができています＾＾
コロナに背中押してもらってるなぁ・・・＾＾
