【洗い指定以外の工程に伴う保証について】

復元洗い等、洗い指定以外の工程を含む処理についてはクリーニングの保証対象外となります。
生地が耐え切れず溶けてしまったり、直せないほど変形してしまう等、
想定外の不具合が出てしまった場合は代金は頂かずご返品にはさせて頂いていますが、
弁償等の保証は一切できません。 それぞれ詳しく説明させて頂きますのでご了承願います。

   平均使用年数表はこちら   保証割合表はこちら

ポール・スチュアート(Paul Stuart,) カシミアコート 毛足直し~カシミヤの風合いが消失してしまう原因~

ポール・スチュアート(Paul Stuart,) カシミアコート 毛足直し~カシミヤの風合いが消失してしまう原因~

カシミアコート 風合い、毛足直し参考価格(2020年11月現在・税抜)

今回のポールスチュアート(Paul Stuart, )     20000円
毛皮洗いにて油分入れ、ヌメリ、光沢復元カシミヤ加工・毛足直しまで)

カシミヤ・アルパカ・キャメルなど高級獣毛クリーニング、毛足直し参考価格

お手入れコース7000円~
毛足直しコースは12000円~
風合い加工コースは20000円~

デザイン、状態により金額は変わります。

どのコースもクリーニングをする場合は全品抗菌防虫防カビ加工をしていきます。

ポール・スチュアート(Paul Stuart,) カシミアコート 毛足直し~カシミヤの風合いが消失してしまう原因~

おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友 眞吾です。

LINEでのご相談がどんどん増えてきて、依頼品が多数届いて負います^^
ありがとうございます^^

お返事のほとんどを健也がさせて頂いておりますが、お客様からはとても丁寧で詳しく、わかりやすい説明という事でとても喜んで頂けているようです^^

ここ1ヶ月位かな、LINEでのご相談で目に見えて多いのがカシミヤ、アルパカなど高級獣毛コートの風合い直し。

風合い直しのご相談はかなり前からあったのですが、めっちゃ手間かかるので、どれくらいの手間をかけているかをお客様に知ってもらわないと、とものすごく手間かけて画像を撮り以前ブログでご紹介しました。

Max Mara(マックスマーラ)カシミヤコート風合い直し詳細説明

この時のコートがマックスマーラだったからなのか、マックスマーラがめっちゃ多いんです。今月だけで10着は直したかな。

詳しいご説明はクリックして御覧ください。

ポール・スチュアート(Paul Stuart,) カシミアコート 毛足直し~カシミヤの風合いが消失してしまう原因~

今回はポール・スチュアート(Paul Stuart)のカシミアコート。

このコートは2回程度着用後、クリーニングに依頼したらパサパサおゴワゴワになってしまったと。

一番多いパターンです。

友達から借りたコートを返す際、クリーニングに出したら返せなじ状態になってしまったというご相談、逆に友達に貸したらクリーニングして返してくれたんだけど風合いが・・・

中にはもう数十年愛用していたコートがごわつきも出てきて風合いも経年劣化でなくなってきたから・・・というものもあります。

長年愛用して・・・というカシミヤはセーターが一番多いかな。

クリーニングで風合いが消失したり壊れたりした場合と長年愛用してきた服では直し方は全く変わりますが、セーターは復元洗いすると風合いも保温性もびっくりするくらい良くなります。

昔の良いカシミヤセーターって染め替えて期待ってご相談も多いのですが、染め替えすると縮んだり傷んだりするって思われてる方多いようですが、色が変わるので新しいカシミヤセーターに買い替えた?って位、風合いも保温性も蘇ります。

当店はカシミヤでもシルクでも本染めで85℃以上の温度で40分以上煮込むようにして染めるため洗いでは落ちない汚れも落ちてしまうんです。

さらにカシミヤ製品は仕上げはラノリンなど天然オイル、化粧品にも使われているスクワランオイル、保湿成分やコラーゲン、艶や光沢、ヌメリなどカシミヤらしさが出る加工、サイズを図りながら元通りのデザインとサイズに直していけるところが当店のいいところ!(笑)

ポール・スチュアート(Paul Stuart,) カシミアコート 毛足直し~カシミヤの風合いが消失してしまう原因~

話が染めになってしまったのでもとにもどして・・・っと・・・

今回は送られてきた際、畳みシワ?この状態で帰ってきた??って思うような部分はあったものの、全体的にはそれほどでもないかなって・・・

トルソーにかけてパッと見た時はそう思ったけど、平にして見ると思った以上に風合い壊れている(汗)

全体的に毛足があっちこっちに乱れているので、遠目からだと乱れがよくわからなかったんです。

という事で・・・言ってる意味よくわからないでしょ?って思うから・・・

説明聞いて画像見るとよく分かると思うので、わかりたい方は続きからどーぞ(笑)

ポール・スチュアート(Paul Stuart,) カシミアコート 毛足直し~カシミヤの風合いが消失してしまう原因~

まずはこの画像。

くっきりと色が分かれているのがわかります。

毛足直しする場合、スチームで良く蒸して毛を起こし、ブラシで揃えて整えて行きます。

例えば寝癖直す時、どんなにそのままブラシ掛けても直りませんよね。蒸しタオルなど作って寝癖部分を蒸したりして直し、水分が入っている状態でドライヤーで形付けて乾かすことでセットができます。

毛足直しも考え方は寝癖直しと同じ。

座りシワなど強く折れ曲がっているとスチームでは直しきれないので、水分を入れ蒸して直し整えていきます。

コートを乗せているのは「馬」という仕上げ台ですが、この仕上げ台に乗せて少しずつずらしながら直していくため、直した場所と次に直す場所が画像のようにくっきり分かれるんです。

ポール・スチュアート(Paul Stuart,) カシミアコート 毛足直し~カシミヤの風合いが消失してしまう原因~

次に色が薄かった部分を直してみると・・・色が濃くなり揃いました。毛足がきれいに整ったということです。

ここまでくっきり出るのはあまりないかな・・・毛足の乱れで光が乱反射し色が変わって見えていたんです。

ただ、乱れが均一というか綺麗に乱れきっていたので(汗)あまりおかしな状態にはパッと見は見えなかった・・・

ポール・スチュアート(Paul Stuart,) カシミアコート 毛足直し~カシミヤの風合いが消失してしまう原因~

妻に撮らせながら仕上げていたのですが、この画像はおまけ(笑)

何をしているかって、表面の毛羽を毛羽を取っているのですが、コートの生地を軽く押さえている右手に注目!

ポール・スチュアート(Paul Stuart,) カシミアコート 毛足直し~カシミヤの風合いが消失してしまう原因~

軽く押さえているのですが、よく見ると手の跡が付いています。

抑えたあとは毎回付くので、次に移動するときに直しています。

すると妻が、カシミヤはクリーニングに出すとアイロン掛けられてぺちゃんこにされるって思われている方も多いよね、と。

仕上げ画像もふんわり感とかまでわからないから、手の跡が付くくらいふんわり仕上がっているよ、っと見てわかるようにブログに載せろ!っと言うことで撮った画像です(笑)

アイロンで仕上げるって言うとぺちゃんこになる!?って思われがちだけどそんな事はありません!!

コートに置いた手の跡が付くくらい、ふんわりと仕上がっています^^

ポール・スチュアート(Paul Stuart,) カシミアコート 毛足直し~カシミヤの風合いが消失してしまう原因~

こちらは仕上げ後、仕上げ前を並べて撮った画像です。

どうしてもカメラ画像は自動で補正がかかるので色合いにしても肉眼とかなり違うんですが・・・

毛足を直す前って画像を取る時ピントがすんなり合うんだけど、直してからだとピントが合わないんです。

薄い紙とかボールペンを置いてピントを合わせてから撮っています。

ポール・スチュアート(Paul Stuart,) カシミアコート 毛足直し~カシミヤの風合いが消失してしまう原因~

マクロ設定にしてアップしてみるとこんな感じです。
ピントが甘いのか・・・手ブレなのか・・・

お客様からのご相談でクリーニングに依頼したら手触りがゴワゴワザラザラになったって言われますがこんな状態。

強く揉まれて毛足が乱れるた状態で乾燥されるため、この乱れが手触りを悪くしているんです。

毛足があっちこっちに向いているので光が当たると乱反射するため光沢もなくなってしまうんです。

これは例えば光沢があるレーヨン、シルク素材でも起こることで、特に汗取りなど水洗いやウェットクリーニングをすると表面に細かな凹凸ができ、クタッとした感じ、光沢も消失してしまうといった仕上がりになってしまうんです。

当店の場合だと、こうしたご相談が多く、この状態になる原因を考えていきます。

理由がわからないと直すこともできないんですが、直すことができれば不具合が出ない洗い方は当たり前にできてしまうことなんです。

ポール・スチュアート(Paul Stuart,) カシミアコート 毛足直し~カシミヤの風合いが消失してしまう原因~

一言で風合い直しと言ってもいろいろな状態になっています。
素材も同じカシミヤでも、例えばマックスマーラーは全体に「うね」というか、普通の獣毛コートとは違った風合いを作っています。

持っている方ならわかるんじゃないかな。

今回のコートはストレートな毛足。縫い合わせパーツごとに毛足の向きが違ったり、ブラシがけも毛足に対してどう掛けていくか方向もあります。

強い洗いをされたり、そのお店がソフト洗いをしていても洗う溶剤に強い洗浄力(脱脂力)があるとパサパサになったりゴワゴワになったりもします。

そのお店が高級品を得意とせず、一般的な衣料、作業衣などを得意とする場合、洗浄力はあったほうが綺麗になります。。

ソフトに洗ったとしても脱脂されてしまうのは洗うときの洗浄力、乾燥も揉まれないよう停止乾燥をさせれば毛足の乱れはタンブルより抑えられるけど、髪の毛を洗ってドライヤーで一気に熱乾燥するとパサパサになるのと同じように、コートも熱乾燥されればパサパサになるんです。

ポール・スチュアート(Paul Stuart,) カシミアコート 毛足直し~カシミヤの風合いが消失してしまう原因~

だから、お客様からどんなお店へ依頼したほうがいい?って聞かれた場合、そのお店が得意としている仕事に合わせて出し分けたほうがいいですね、とお答えしています。

Yシャツなど仕事で使っているビジネスシャツやビジネススーツなどは早くて手頃なお店へ依頼すればいいと思います。ほとんどのチェーン店はこの仕事を得意としていると思います。

高いコースへの出し分けは・・・先に説明した事が全てですが、ドライ溶剤はそのお店が設定した洗浄力ですべての服を洗っていきます。

洗浄力があると出る不具合は出てしまうってことです。

乾燥も同じく、例えば当店の場合だと屋内自然乾燥させますので、4日~1週間程度の時間を掛けて乾燥させます。

ドライクリーニング品は完全乾燥させてからお返しすることが法律で義務付けられているんです。完全乾燥させればよく言われる石油臭い、ドライ独特の臭いって言われるニオイも一切残らないんです。

これは当店に限らず、ちゃんとしたクリーニングをしているお店ならニオイなんて残って帰ってくることはないんです。

今までは風合いなど仕上げってかなり軽視されていて、重要なのは目に見えるシミと汚れと言われていましたが一昔前の話ですね。

デザインどおりに仕上げてくれるお店はとても少ないだろうし、安価ではできないと思いますが、クリーニングの仕事の中で一番難しいのは洗う事、シミ抜きすること、すごい技術って言われている色補正など染色でもなく、仕上げなんです。

さらに壊れたデザインを直していく作業に必要なスキルである地直しなんて最近は言葉も効きません。

クリーニングって洗って取ることはしても、壊れた風合いを直す、入れるってしないんです。

クリーニングに依頼すると駄目になるとか傷むって思われている方はしっかりとした技術を持っているクリーニングを経験されていないんだと思います。

確かに個人店はどんどんなくなってきてしまいましたが、まだまだあります。

しっかりとした技術を持つクリーニング店へ依頼できると服はとても綺麗に、長く愛用できるようになりますから・・・

奮発して買われた服、ブランド品、思い入れの服などはお店ごと変えて出し分ける。

一言でクリーニングって言っても仕事は別物になっていますから^^




 
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