【洗い指定以外の工程に伴う保証について】

復元洗い等、洗い指定以外の工程を含む処理についてはクリーニングの保証対象外となります。
生地が耐え切れず溶けてしまったり、直せないほど変形してしまう等、
想定外の不具合が出てしまった場合は代金は頂かずご返品にはさせて頂いていますが、
弁償等の保証は一切できません。 それぞれ詳しく説明させて頂きますのでご了承願います。

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グッチ(GUCCI)ワンピースクリーニング~ストレッチレーヨンのシミが取れにくい理由は?~

グッチ(GUCCI)ワンピースクリーニング~ストレッチレーヨンのシミが取れにくい理由は?~

シミ抜き代金参考価格(2018年2月現在)

その場シミ抜き(水性・油性処理) 1か所 500円
和服、ネクタイなどシルク製品   1か所1000円~
特殊シミ抜き(酸化・還元など)   1か所1000円~

お待ちいただく時間は1分~5分程度
持ち込みのお客様のみのサービスとなります。
すぐにシミを取りお持ち帰り頂けます。

その場シミ抜きで取れない場合、代金は頂きません。
時間がかかる場合、色抜けなどしやすい素材はお見積もり後にお預かりとなります。

お預かりした場合でもシミが取れない場合、代金は頂きません。

お預かりして特殊シミ抜きをする場合、1か所2000円~3000円程度が目安となります。

今回のグッチワンピースのシミ抜き参考価格 8000円

シミ抜きで服の色が抜ける場合、色補正(部分的な染色)をして直していきますがその場合、シミ抜き代金の+100%が目安となります。

服の色が多少抜けてもシミが目立たなくなればよろしい場合、色補正まではせずシミ抜きのみをしていきます。

色補正はシミ抜きとは別工程になりますので、確認後にご依頼でも大丈GUCCI夫です。

まずはその場シミ抜きだけでも試したいって服も歓迎です!、お気軽にお持ちください^^


グッチ(GUCCI)ワンピースクリーニング~ストレッチレーヨンのシミが取れにくい理由は?~

おしゃれ工房you友(ゆうゆう) 大友眞吾です。

グッチ(GUCCI)のワンピースです。
シミは背中部分ですが何が付いたのかは不明。

素材はレーヨンですが伸縮するストレッチタイプ(スパンテックス)の素材です。

生地が2枚あわせになっています。
上の画像が内側から見たシミ、舌の画像が表側にシミ出た状態。

グッチ(GUCCI)ワンピースクリーニング~ストレッチレーヨンのシミが取れにくい理由は?~

シミはお客様が持ち込まれてみた時、付いた場所、シミの状態や色合いなどからいろんなことを予測していくのですが、時々???ってモノがあります。

このシミも見た感じは油性系のようなシミに見えますが・・・内側から表側に染み出ている感じ。

レーヨン素材ってシミがとても取れにくく伸縮しない素材なんです。

取れにくい理由と最悪を想定してどんなご説明をさせてもらったのか・・・

という事で、グッチ(GUCCI)のストレッチレーヨンワンピースのシミ抜きです^^

グッチ(GUCCI)ワンピースクリーニング~ストレッチレーヨンのシミが取れにくい理由は?~

レーヨンはパルプから作られていますので紙と同じ。紙をドロドロに溶かして繊維状にしたものがレーヨンです。

よくビスコース(Viscose)と表記されていますがこれもレーヨンの事です。
レーヨンを作る時の技法(ビスコース)をそのまま名前として使っているわけです。

レーヨンって断面図を拡大してみると2層になってるんです。

内側に柔らかな部分、外側が固い部分になっているんですね。ドロドロに溶けた状態から繊維を作っていくため、外側が急激に固まり、内側がゆっくり硬化していくために起こる現象。

まぁ、私も難しい事はわからないので(汗)シミが取れにくい原因としては柔らかい部分を固い皮膜で守ってるからかな。

グッチ(GUCCI)ワンピースクリーニング~ストレッチレーヨンのシミが取れにくい理由は?~

原料がパルプなので吸水性がとても良いのですが、シミが付いてもすぐに染み込んでしまいます。

硬い部分から柔らかい部分までシミが染み込んでしまうと、固い部分が邪魔して柔らかい部分のシミが除去しにくくなってしまうんです。

硬い部分を上から無理して取ろうとすると、染色されている場合は芯まで浸透したシミが取れるより先に色が抜けたり、固い部分が壊れてしまうと質感がそこだけ変わったりなど影響が出てしまうんです。

シミが取れにくいのは2重構造になっていて染み込んだシミを固い部分に守られてしまった状態になっているからです。

この構造を理解していないと取れにくいシミが浸透した場合、除去が難しくなるんですね。

グッチ(GUCCI)ワンピースクリーニング~ストレッチレーヨンのシミが取れにくい理由は?~

スパンテックスという素材は伸縮しない素材に伸縮性を持たせるため、ポリウレタンというゴムのように伸縮する芯にレーヨンの糸を横に巻き付けて伸縮するように作られた素材です。

大きく伸縮する素材はみな同じような構造になっています。

芯に使っているポリウレタンという素材はゴムと同じように時間とともに劣化が進んでいく素材。ゴムってある程度時間が経つと弾力が亡くなり引っ張ると切れてしまいますね。同じ現象が起こってしまうんです。

このポリウレタン芯の劣化が進んでいるとシミ抜きの薬剤で一気に劣化が進み切れてしまったりします。切れるとその部分のみ伸びた状態になり元の形状に戻らなくなります。

脇汗など、レーヨン自体の傷みが進み黄ばんでいると、シミ抜きするとレーヨン部分のみがぼろぼろと崩れるように亡くなってしまう事もあります。無くなると、芯に使われている細いポリウレタンの芯が出てきたりします。

レーヨンが2重構造、伸縮性を持たせると3重構造になるんですね。

今回のシミ抜きのリスクとして、付いたものがわからない、いつ付いたのかもわからない状態ですので、シミが素材に対してどんな影響をもたらしているのかもわからないんです。

芯に使っているポリウレタンが劣化していれば切れてしまう事もあり、シミの付着部分のレーヨンがシミ抜きに耐えられないくらい傷んでいるとレーヨンが欠けて無くなる可能性もあります。

それともう一つあるんです。
ゴムって湿気のある場所にしばらく置いてあるとべとべとしてきますよね。

ゴム樹脂が空気中の水分により溶け出している状態ですが、ポリウレタンという素材も同じように溶け出してくるんです。加水分解と言います。

もし、シミ部分に何かが付いていて加水分解が早く進んでしまっていると、ポリウレタン樹脂が溶け出し表面まで浸透してくると油シミのようなシミを作るんです。

これはダウン製品、ボンディングやコーティング製品、マッキントッシュなどゴム引き製品でも起こる現象です。

しまって置いたら付けた覚えのない黒ずんだシミが出てきたって場合、加水分解により素材自体が溶け出してきた状態の可能性がとても高くなります。

この場合は素材自体の寿命になるため、このご説明をさせて頂き、ご了解を頂いてからのシミ抜きとなっています。

シミがある状態だと着れませんから、試す価値はありますね^^






 
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