
参考価格(税抜き)2014年10月現在
ハッピ色止め 6000円~
ハッピ色落とし 6000円~
おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友眞吾です。
年間通してご相談がある、法被(ハッピ)です。
当店の場合、色止めから使用感が出るような色抜きまで、おそらく当店しかやっていない内容のことをブログでご紹介してきましたので、
年間通してご相談があります。
ほとんどの場合、町内などでまとめて注文して作る「藍染め」のハッピなのですが、最近では色々とあり・・・
特にはっぴの場合は2万5千円~3万5千円も出して作られ、お預かりするものは1度も使用していない新品がほとんど。
言葉だけのご説明ではなかなかお伝えするのが難しいので、今回は色止め工程を画像に撮りながらやりました。
とても良くわかる事例となりましたので、画像を見ながらご説明を^^

最初の画像の背中白文字部分のアップです。最初の画像、右側が一番良くわかると思いますが白の字部分に青い色が見えています。
背中白文字部分の裏側を見てみると紺色に白い部分が滲んでいる感じですね。

左画像は小さな文字の裏側。
白い柄は見えていませんね。
これはTシャツなどに良くある「プリント」と同じようなもので生地の表面に色を貼り付けているものです。
昔は背中の白文字部分って色抜きされていたと思うのですが、今はこんな感じがほとんど。
背中の大きな白文字は裏側まで浸透しているからそう簡単には剥がれてこないけど、小さな文字は表面に乗せてあるだけの状態だから洗ったり着用したりしてスレたりすると剥がれ下地の紺色が出てきてしまいます。
簡単に剥がれてくるかどうかは・・・この法被を作った方次第。
和物は洋服のように品質表示を付ける事を義務付けられていないんです。
オーダで作るものの品質は服でも和物でも作る側に任せられているんですね。
今年の浜松まつりの時もたくさんのハッピを加工してきましたが、7~8万円掛けて作られたハッピでも表面プリントされているものがあり、お預かり時によく確認してみたら白文字部分の一部が剥がれていて下地の紺色が所々出ていた物がありました。
ご説明したらお客様は思わず苦笑い・・・
おそらく二度とそのお店では作られないだろうし、そんな噂はすぐに広がります・・・
品質を任せられているオーダー製品だからこそ、品質には気をつけなければ信用がなくなってしまいます。
でも・・・ここで一番厄介なのがオーダーを入れたお店では実際にハッピを染めたり作ったりしていないというところ・・・
ハッピだけではなく、例えば浴衣(ゆかた)。
今年も数着あったのですが、雨に濡れたら色が滲んでしまったという物。
お客様には、オーダーしたお店で実際に染めているお店はとても少なく、雨に濡れただけで色が滲む浴衣を自分の店で売っているなんてこと思ってもいないはずだからお店へ先の相談してみたら?そうお伝えすると・・・
直ぐに連絡が入り、お店側もそんなはずはない!そのモノをすぐに見せて欲しい!!と言う事でお店へお送りさせて頂きました。
こんな場合、当店はテストなどもせず、何も手を入れない状態でお返事を待っています。
クリーニング店に依頼したからと言う理由で作る側に断られたり保証できないと言われたりしてしまうからです。
お店が対応してくれなければ・・・出来る範囲となりますが当店でテストから始めさせて頂きます。
今回は、使用感を出す、ではなく、できる限り色を残したいからと言う事で色止めです。
ただし、新品時の色そのままを残すような色止めはハッピの場合は出来ないことが多いです。
最近は「染め」と言う工程で染められていない物もあり、オーダーを受けるお店も実は知らない・・・
クリーニング店が言っても悲しい事に信用されず、お客様からもクリーニング店が下手くそなだけだろって言われてしまう・・・
でも、この先を見て頂ければ一目でわかります。
今回はバックやお財布など色づけている顔料ってどういうものなのかもよく分かる事例となりますので、
画像とともにご説明しながら、ハッピの色止め、ご紹介です^^

基本、藍染めとして皆さん注文されますが本当に藍100%で染められている物はないんです。
1点オーダーで「本藍染め」としてオーダー、金額も最低5~6万円程度からになるかと思います。
藍染めではなく頭に「本」が付いた「本藍染め」のみが藍100%の製品になるということでした。
ただ、元々はインディゴも植物性の染料で発色させる方法も染まる成分も藍とほとんど同じなんです。
今では染まる成分自体を天然ではなく科学的に作ることが出来るため、今ではほとんどが人工藍とか合成藍とか言われるインディゴ染めになっています。
藍染めはそのインディゴの中に5%程度も入れてあれば藍染めとして良いらしく・・・(業界内のローカルルール?)
でも、まだインディゴでも藍でも染という工程で染められているものであれば良いのですが、そうでないものが出てきているから大変なんです。
お客様にはご説明させてもらっていますが、当店の場合は色止めも色落としも藍(インディゴ)で染められている事を前提でやっていきます。
藍染めの職人さんが実際にやっている方法を教えてもらい、そのままを取り込んでいます。
左画像は昔ながらの固形石鹸を70度程度のお湯の中で溶かし、右画像は洗っているところ。手は熱くて突っ込めません・・・
藍染めのハッピを水洗いするときはこの固形石鹸で洗っています。
今回はハッピの状態から石鹸を使っていますが・・・70度程度のお湯のみで処理するアク抜きをしていく場合もあります。

左側が洗い上がりに3回すすいだ水の色。この段階で・・・藍でもインディゴでもないのでは・・・っと。
藍でもインディゴでも、実は染める時の染料の色はこの色の場合だと黄茶っぽい色なんです。
Gパンでも洗ったら水が紺ではなく黄色っぽい色になったって経験ある方いらっしゃると思います。
安価なGパンではないかな・・・
右画像は10回以上溜めてはすすぎで水を変えてと10回以上繰り返した状態。透明感は出てきたけどまだ色が出ています。
10回以上水ですすぐだけでまだ色が出てきていますから、洗うだけでは色は止まりませんね。
石鹸を入れるとまた色が出てくると思います。

状態的に、インディゴなのか化学染料なのかわかりませんので・・・
左画像のように化学染料の色を定着させるフィックス剤、藍やインディゴにはこのフィックス剤は効きませんので染料の粒子を科学的に膨らめて繊維の目から出にくくして色を止める少し特殊な加工剤の両方を入れて色止めです。
水温は50℃以上、20分程度漬け込み両方の色を止めていきます。
水の色を見てみると、色はそれほど出てこなくなりました。。。が・・・

ハッピを出してみると左画像、底に沈んで見える物なんだか分かりますか??
これ、顔料です。
このブログで染料と顔料のお話をよくさせてもらっていますが、顔料とは色のついたt小さな粒子。
右画像はハッピの表面をティッシュで軽く撫でたところ・・・
こんな色の粒子をバインダーとか樹脂とか言われる接着剤のような物を使い壁や看板、服やバックなどの表面に色を貼り付けて付けている物を顔料染め、皮革の場合だとピグメントレザーと言われるものです。
染料は水に可溶するので上の濯いだあとのバケツ画像のように水自体に色が付き染まります。
顔料は水に可溶しない不溶性のものなので、固着していないもの、接着している物の寿命などくるとこうして剥がれていくんです。
この色のついた粒子も紫外線や光により色が抜けたりするため、品質により色持ちもかなり変わります。
例えば小学校の頃によく使った絵の具、ポスターカラーなど、絵を貼って飾っておくとすぐに色褪せてしまいますがこれも顔料です。
外壁などを塗るペンキって雨ざらし日ざらしでも色褪せも少なく剥がれてきませんが、これも顔料です。
こういったことがよくわかってきたから、当店は耐久度の高い世界トップクラスの顔料を選び使っています。
品質が上がるごとに金額も高くなっていきますから、例えば滅多に手を入れられない家の塗替えなどの場合、
金額だけではなくこの辺りのことをよく考えた方が良いと思います。
当店の看板も、一枚は色褪せもほとんどなく綺麗ですがもう一枚はもう色が褪せてしまい・・・違う業者で作っています。
ここまで洗い、何十回もすすいだのにこの状態・・・顔料の粒子がカスのようになって表面に付いているんです。
藍染めとして販売されていたのであれば・・・この状態はどうなんでしょう・・・
明らかに表面に顔料(塗料)が乗せられており、しかもこの落ちる顔料を取ってしまわない限り色は止まらない・・・
濃く見せるために色を表面に乗せてあるので、取れば褪せたようになってしまうんです。
下地はなにかで染めて色付けられており、濃くするために顔料(塗料)を乗せている状態。
祭り用品などをオーダーで受けているお店もきっと知らずに販売している現実です。
新品時の色そのままを残すことが出来ない理由はこんな感じだからです。
こうなると、洗い流すためには手洗いとかではなく、もう少し強い洗いをしないと取れませんので・・・
でも他の服とかと一緒にも洗えませんから、大きな浴槽の中で優雅に一点洗い・・・
藍でもインディゴでもちゃんとした染め工程で染められていればここまでの手はかかりません!
私自身も息子も、服は全素材を染めていますし本藍染めはやっていませんがインディゴ染めまではやっています。

最初に酷い状態のものに遭遇した際、お客様ご自身は一緒に注文した人にこんな話をしたら
伝統ある専門店に注文しているんだからそのクリーニング屋がおかしいだろ!っと言われたとのこと。
だから、私はそのお店へ持って行きました。すると、昔と色めが変わってきたなぁとは思っていたと言っていましたが、
実際に作っている現場を見たのは昔に1度だけとの事。お客様には「本藍染め」で1着作らせてもらうからと言う事でした。
そのお店からお客様のもとへその旨の連絡が入り、ここまでしてやっとそのお客様ご自身には当店が言っていることのほうが正しかったってわかって頂けたと言う思い出深い経験でした。

こちらのハッピは裏側を見ると文字部分が白いままですね。
文字部分を染まらないように型抜きして白く残してあるものですが、裏側が染まっていませんから表面加工のような染め方です。
最近ではプリンターでプリントアウトするように文字入れすることもできますので、方法は色々とあるようです。
今回は使用感を出すと言うご依頼ではありませんのでかなりソフトに固着していない部分のみの色を落とす感じで洗っています。
なのでものすごく色褪せた状態にはなっていないのですが、それでも色は薄くなっています。
使用感を出す場合、色抜きもしていきますので、もっと色が褪せた感じのスレと使用感を出すことができますが、どの程度褪せるかは染められ方次第・・・顔料など使われていないものはいい感じで使用感が出てくれます。
色止めはものすごい変化ができる限りでないようやっていきますが、定着していない色を落とした時どのくらい変化が出るかはやってみないとわからず、色を完全に止めることは出来ません。
色落としも同じく、一応ちゃんと染められているものの場合はそれなりの使用感、かなりの使用感と希望に合わせて2段階に分けてやってはいますが、例えば今回のような場合だと色ムラになったり予想以上に白けたりなど出てしまうことがあります。
いずれも、元通りに戻すことは出来ませんので、お受けする場合は保証等出来ないということが前提となります。