ブランドトレーナー・Tシャツクリーニング~洗い方の違いと風合い変化の出方の違い~
おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友 眞吾です。
時代の流れとともにクリーニング店の必要性、あり方も変わってきています。
クリーニングに限らずですが、お客様が求めるモノがあり、どこまで応えられるかがそのお店の価値感になっていると思います。
ご相談内容は年々変わってきており、昨年末から今年にかけて地元のお客様、遠方のお客様共に多かったのがしみ抜きではなく
「仕上がりの品質」についてです。
スーツのウキ、カシミヤコートの風合い変化などもその一つですが一番気になったのが・・・
お客様が
「高いコースで出しているのに・・・」
「高いお店に出しているのに・・・」
と言われる方がほとんどだったことです。
お話をお聞きすると、金額が高ければちゃんとやってもらえるとお客様自身が思っていて
金額が高ければ安心だからとお店を選んでいる、出し分けている・・・
こう思う心理を踏まえ上手く集客していくお店が多くなってきているんです。
中にはクリーニングとしても知識も技術も持たず経営力とアイディアで経営している大手もあります。
例えば・・・
当社は、クリーニング業務を行うものではありませんが、提携クリーニング業者との業務提携契約に基づき、カスタマーサポート業務等(クリーニング業務を含みません。)を会員に対して提供します。
と利用する前に必ずお読みくださいと乗せられている利用規約の一部に書かれているお店もあります。
この会社のすごい技術、丁寧な仕事、しみ抜き技術のようにHPには載せられていますが・・・
利用規約の説明見るとこの会社自体はクリーニング業務はしない、カスタマーサポートに関してもクリーニング業務対象外、とされています。
どういうことかって言うと・・・
クリーニングの仕事は色んなクリーニング店へ外注依頼しているって事です。
基本品質は依頼した工場次第となると思います。
3000円クリーニング代金がかかったとして、外注費が50%なら実際のクリーニング代金は1500円です。
あ、これ自体は悪いとか悪徳ではなくごく普通の流れです。
安く仕入れて高く売り、マージンで利益を出すのが物販、委託の商売です。
1500円のものを5000円で売ることが出来ればこれも「売る技術」なんです。
ただ、そこに金額分の価値があるかどうかを判断するのは作られたモノ、提供されたサービスを受けたお客様自身です。
クリーニング技術に特化したお店と売る技術に特化したお店があるんです。
丁寧な仕事をすれば手間をかけるんだから金額は高くて当たり前ですが、
高いから丁寧な仕事をしてくれているかというと今は当てはまらなくなってきています。
ただ、気になっているのがその受け方。
ハイブランドダウンなど何が起きても一切保証はできない、クレームは受けられないって説明された経験ある方結構いるんじゃないかな。
こちらはマックスマーラコートですがダウン製品すべてにされているボンディング加工、コーティング加工が溶け出した出てきたシミです。
加水分解という寿命がすでにきていて、洗うことで全体が動き、それをきっかけとして油シミのように浮き出してきます。
年月が経ったダウン製品の場合この溶け出しが起きる可能性が高いので、出たときにクレームにならないよう受付時に保証ができないと説明されるんです。
ただし・・・クレームにできないように受け付けるのと、クレームにならないようにしっかり事前説明して受けるのとでは全く意味が違います。
クレームにできないような受付をしておいてクレームになるほどの事象が起きているって事が一番問題・・・
できる限り起きないよう、出ないように洗うスキルがあるのか。
たとえ出たとしてもできる限りそのシミを取っていける技術があるのかも大きな違いです。
クリーニングに出して出た浮きですが・・・
芯地の剥がれによる寿命だから仕方ないって説明をされるようですが・・・
高額品でも普通に洗いタンブル乾燥までしていたらたとえ新しいモノでも出てしまったって不思議はないんです。
購入して数年程度で出ている場合、ほとんどが熱乾燥による芯地の縮みが原因で出ています。
出ないように自然乾燥させる、洗浄力を抑え接着芯の剥がれも抑えて洗うなど分けた洗い方をされているかどうかは出してみないとわかりません。
通常のビジネススーツの場合、大きな問題が出ることはあまりないのですが高額品、オーダー品、特にインポートブランド品は縮み変形が出やすい、変化が出やすいことを認識して洗わないと予想外に大きな変化が出ることはあります。
出ても直すだけのスキルがあるお店であればちゃんと直してくれます。
直すことが出来るお店なら不具合が出ないように洗ってくれています。
という事で・・・記事更新案内だったはずがだいぶ違う方向へ行ってしまいましたが・・・
今回はブランドトレーナークリーニングです。
良くお預かりするトレーナーの中に「ルシアンペラフィネ」
というブランドがあります。20~30万程度はするトレーナーです。
ヴィトン、エルメス、シャネルなども良くあります。
何度クリーニングに出しても新品開封する時と同じような感覚で封を開け、着るのが嬉しくなるような気持ちで愛用できていますか?
ブランドトレーナー・Tシャツクリーニング~洗い方の違いと風合い変化の出方の違い~
目次
◆洗い方の違いと変化の出方の違いは?
◆服に合わせて一点手洗い
◆一点手洗い 洗い前のしみ抜き
-手洗い方法 飾りに負荷をかけないように
-一点手洗い 仕上げ加工剤
◆ブランドトレーナー1点手洗い まとめ