おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友 眞吾です。
まずは最初に・・・宣伝です(笑)
前回告知させていただきましたが
「となりのスターさん」が今日放映です^^
静岡朝日テレビ 深夜0時05分~
「シミ抜きの匠」と紹介されているようです(笑)
静岡県民しか見られない!っと前回書きましたが、放送終了後に番組HPに動画を載せるようですのでまたブログで紹介させていただきます。
今回は毎週かならずある、っていうほど相談が多い、ペンをポケットに入れたまま洗ってしまったというインクのシミです。
業界では「爆発インク」など呼んでいるこのシミは、シミ抜きを得意とするお店にはかなりご相談が多いと思います。
インクのシミと一言で言っても色々とあり・・・
簡単に取れるものもあれば日本中どこへ依頼しようと取れないインクシミもあります。
画像のような状態になっていると・・・シミ抜きで取ることを考えるより、買い直しができるので買い直したほうが安く済んでしまうほどの金額になることは珍しくないんです。
シミ抜きはクリーニングのようにまとめてできる仕事ではないから、1点ずつ、1箇所ずつ取っていくことになるので、
シミ抜きの数×シミ抜き代金が基本お見積りの出し方となると思います。
画像を見ると、パッと見ても大きく分けて最低4箇所・・・1箇所3000円程度はかかるだろうから、12000円~くらいがお見積りとなるかな。
中には、どうしても取らなければいけないという仕事着もあり、高額になっても依頼されることも少なくない・・・
このあたりも含め、作業服のインク取りです。
今回金額を出していないのはテストしないとお見積りも出せないし、全く取れないものもあるからです。
インクの種類は大きく分けて3種類あり、油性、水性、ゲル(ジェル)とあります。
一般的には水性インクは取れやすいって思っている方が多く、ついてすぐなら水洗いすると取れるって聞いたりもしています。
一番取れやすいのは油性インクなんですよね。
水性は付き方によっては残ってしまうし、油性と比べるとかなり取れにくい。
ゲルはさらに取れないシミで、シミ抜きに長けたお店で一番取れないと言われるシミになるかと思います。
ペン先があたって線状にちょっとついちゃったってモノでも取り切れないかもしれないのがゲルインクです。
油性が取れやすいとは言っても、ペン先がかすって付いた状態と洗濯して洗剤と水にインクが溶け出して大量についた状態とでは全く異なります。
水と油が入り混じった状態でつくからかなり取れにくくなっています。
それでもかなりまで取れるのはインク自体を薬品で溶解できるからです。
溶解し液状化できることで洗い流すことができる状態となるからです。
水性、ゲルは中に色の粒子が入っています。
黒ならカーボンとか炭などを人の毛穴にも入り込むくらい小さな粒子にしたものです。
これは溶解できない小砂利のようなものなので、繊維の中に入り込み引っかかっていると取り出せなくなります。
水、油で溶解も分解もできないものを不溶性といいますが、これは物理的に一つづつ取り出すような作業をしないと取れないんです。
この爆発したインクがキレイに取れる可能性があるとしたら油性インクだけじゃないかな。
同じインクでも生地の表面をかするように付いたものと芯までしっかり浸透したものでは取れ具合は全く異なります。
インク溜まり、と呼んでいますが、生地がインクを吸い込んで溜まっている状態になっているものもあります。
インクが溜まっている部分にしみ抜き剤をつけてインクを溶かすと一気に広がるんです。
例えばペン先が出たままポケットに刺しておくと、ペン先から少しずつインクが吸い出されていくため、小さなシミでも吸い出されたインクが溜まっているため、染み自体は小さくてもインクの含有量がとても多くなっています。
1センチ程度の染みでもインクが溜まっているとところへしみ抜き剤をつけると何十倍もの大きさにシミが広がるんです。
ぽつんと落とした醤油のシミに洗剤つけて叩くと広がりますよね。その強烈版・・・
広がらないように取るためにいろんな工夫をしています。
今回「となりのスターさん」のロケでもインクのシミ抜きなどやったから出るかなぁ・・・
当店の場合だと、宅配でお受けはしていません。理由は、テストしてみないとどの程度取れるかが全くわからないからです。
持ち込みのお客様の場合はすぐにその場でテストをします。
取れ具合を確認してお見積りを出すか、残念ながらこれは取れません、と言ってご返却することになるか・・・
画像のような状態になっているとかなり高額になるかと思います。