レーヨンシャツ復元洗い参考価格
今回のシャツ復元洗い 6600円
インポート製品、ブランド品は+100%~
水洗い不可となっているレーヨンは基本水洗いすると縮みます。
デザインがシンプルなレーヨンシャツなどはサイズを測り修正仕上げできますが、デザインされいてる場合はできない服もあります。
おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友眞吾です。
先日、初めてご来店のお客様と話をしていたときのこと、
自分の好きな服とか奮発して買った服って、ちょっといいクリーニングしてもらいたいんですよね!
そんな話をしていました。
でもお客様、それを頼めるお店って無いんだよね、と。
高いコースで出しても仕上がりや洗い上がりの差がわからないし・・・
これからは仕事を見るお客様が増えていくんだろうなって思っていたところでこんな話。
金額が高い=品質がいい=満足してくれるってお客様が思い込んでくれる時代ではなくなってきたんだなって。
ゆうゆうの場合、嬉しいことに若いお客様がとても多いんです。しかも初めてって方。
クリーニング店をを初めて利用するって方もいらっしゃいます。
初めてのお店って入りにくいですよね。
初めての利用がゆうゆうって、とても嬉しいなぁって思います^^
ブログやHPを見て相談という形でご来店くださるから、通常のクリーニング店と利用の仕方が少し違うかな。
そして、ゆうゆうの特徴としては、男性のお客様がとても多いんです。
このシャツのお客様も男性。
気に入ってたし、思い入れもあるしと、そんな感じでご相談です。
クリーニングに出してもきれいにならないし、自分では洗えない・・・
この状態を綺麗にって依頼しても断られるのにも理由があります。
だって・・・簡単にできないから・・・
レーヨン・シルクカーディガンにワインのシミ除去事例
ということでレーヨンシャツ復元洗です^^
綺麗にできるかできないかは素材次第。
レーヨンってどんな素材なのか・・・
洗って綺麗にしていく立場から・・・ご説明していきますね^^
レーヨンってどんな素材?
レーヨンの原料はパルプ。紙と同じ素材なんです。
レーヨン素材が出始めた当初、とても水に弱い素材だったんです。
雨に降られて濡れると、ちょっとどこかに貼り付いて引っ張られたり引っ掛けたりするとすぐに破れたり・・・
お宅にクリーニングに出したら服が破れるようになった!ってお客様からクレームのように言われた事ありました(汗)
紙と同じ素材で作られているから、当初は水に弱かったんです。今は改良され水に濡れる程度で敗れるようなことはありませんが、基本的な特性は昔と同じです。
とても吸水性がいい素材で、紙と同じように水分をすっと吸い込みます。
汗もよく吸い取ってくれるけど・・・吸い込んだ汗などを取ることが難しいんです。
特にインポート製品で使われているレーヨンは水洗い不可となってる服は10~15%程度縮んだりします。
ウォッシャブルレーヨンは水洗いができるよう作られていますが、風合いは変化が出てしまうことが多いです。
独特の光沢と肌触りが好きって方も多いのですが、水洗いすることで光沢が消失したりしてしまうのも特徴。
綺麗にアイロン仕上げすると光沢は戻りますが、柔らかい素材のためアイロンがけも難しい素材です。
それともう一つ、ポリエステルが混紡されると基本どんな素材でも強くなるし縮み変形なども出にくくなり色落ちもしにくくなります。
レーヨンも同じなのですが、覚えておくといいのは、必ず毛玉ができること。
ポリエステル・レーヨンの混紡って手頃価格のスウェットなどに多いと思いますがかなり早い段階で毛玉ができてしまいます。
繊維が強くなる分、毛玉は取りにくくなり、毛羽立ちの少ない繊維は取れないくらい小さな毛玉ができてしまいます。
レーヨンのシミが落ちにくい原因は
レーヨンって2重構造になっているんです。
芯に少し硬めのコアがあり、その周りは柔らかい部分で覆われています。
シミが付くとすっと中まで浸透しコアまで染み込みますが、取ろうと思うと表面の柔らかい部分に覆われているため簡単に取れてくれないんです。
無理して取ろうと思うと柔らかい部分の色が抜けたり表面が傷み質感変化など出てしまうんです。
内側のコア部分のシミが取れないと、シミが透けて見えるため表面をどんなに頑張って取っていってもシミが見えてしまうんです。
例えば厚手の生地とか2枚合わせの生地にコーヒーこぼして表面をいくら拭き取っても染み込んだ内側のシミが取れずに残りますね。
表面のダメージを少なく内側のシミを取るって結構難易度が高いのでレーヨンに付いたシミは取れない事が多いく,周りの色が抜けシミは残っている状態になることも多い・・・経験ある方多いんじゃないかな?
レーヨンは水洗いできない素材?縮む原因
レーヨンが水洗いで縮むというのは以前このブログで書いた、水洗いすると繊維が膨張することに関係があるんです。
特にレーヨンは吸水性がとても良いため水分をすぐに吸収し、同時に繊維が膨潤します。
うどんとかラーメンとか、スープを吸って柔らかくなって太くなる分、麺は短くなるのと一緒で、繊維が膨潤すれば繊維は太くなり縮み、乾いて水分がなくなったとき、糸は細くなるけど縮巾は戻っていなないため縮んだままになるんです。
ルイ・ヴィトンレーヨンブラウスかなり縮んだレーヨン修復事例
膨潤収縮したとき元通りの形に戻らないんですね。前に説明してるけど、水洗い出でる変化でありリスクです。
レーヨンはこの現象が顕著に出る素材で、例えば雨に濡れると乾いても雨の跡が点々としみのように残ることが良くあります。
これも膨潤収縮で、水を含み膨潤したレーヨンが乾いたとき完全に元通りに戻らないため織りに出た変化がシミのように見えるよになるんです。
しみ抜きの際、水分を使って抜く場合、水分量が多かったり時間がかかったりすると同じ現象が起きてしまうんです。
だから、レーヨンについた水溶性のシミはしみ抜きしない、というお店もありますね。膨潤収縮の変化を出してしまうと直せるお店ってものすごく少なくなるんです。
このブログと同じような説明ができるお店なら、直せると思いますが。
レーヨン素材まとめと今回シャツのまとめ
ポリエステルが混紡されると膨潤収縮による変化も起きにくくなりますが、毛玉ができやすくなるため、購入するときの一つの目安として覚えておくといいんじゃないかな。
多少毛玉ができても普段着として使うのであれば、家庭で洗える服が多いし金額も手頃な服が多いので考慮して考えてみて下さい。
ウォッシャブルレーヨンは水洗いしても縮みが出ないレーヨンです。でも風合いの変化は出やすいかな・・・
膨潤収縮もほとんどしませんし、中には水洗いすると繊維がものすごく固くなるレーヨンもあります。
固くなっても乾けば元の柔らかさに戻るので大丈夫。このタイプもほぼ縮みは出ませんが、家庭で洗う場合は品質表示の洗い指定を見て、水洗い可となっていればウォッシャブルレーヨンって判断していいと思います。
水洗い不可となっている場合は、10%~15%程度縮むかもしれない・・・と覚悟して自己責任で洗うか、クリーニング店へ。
夏物はドライクリーニングでは汗が落ちないのでレーヨン素材を購入する場合は、ちゃんとお手入れできるクリーニング店を知らないととても寿命が短くなってしまいますので注意が必要です。
インポートブランドには、レーヨンを好んで使われている高額品もあります。
日本の高温多湿の気候と違い乾燥した地域だと汗のかき方も違うから服の汚れ方も違うんです。
服をお手入れする側から見ると日本の気候にはあまり合わない素材だと思います。
実際奮発して買われた水洗い不可レーヨンの服が1~2年で着られなくなってしまった事例、いくつも見ています。
さて、このレーヨンシャツも、クリーニングに出していてもどんどん汚れていく、汗による変色も出てきたし全体黄ばんできてしまった・・・
こうなってしまう原因は、水洗い不可のレーヨンだから、汗も落とせないし、エリなどはしみ抜きをかけてもらわないと皮脂すら落ちにくい素材だからです。
今回は、縮んでしまったとき幅出し修正して直せるよう、サイズを図ってから洗っています。
普通に受けるクリーニング品のサイズを全品測って・・・なんてされることはありません。
まずはしみ抜きしながらドライクリーニングで皮脂、油汚れを除去。
水洗い前には防縮加工(縮むレーヨンにはほとんど効果なしですが)、色止め加工をしてからしみ抜きしながら水洗い。
洗剤で落とせない変色や黄ばみを酸化処理にて除去。
サイズを確認しながら修復仕上げして仕上げています。
書くと簡単そうだけど・・・結構手間かかっています。
今回の状態だと、保証対象外のご説明をさせてもらい、ご了解頂けた場合のみお受けさせていただきます。
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