お母さんの形見 手縫い刺繍のタペストリー~カビ取り変色黄ばみ取り~
おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友 眞吾です。
生前、お母さんが作った手縫い刺繍のタペストリーです。
綿生地に紙を裏打ちされ、シルク糸で刺繍されています。
額に入れて飾ってあったため四角く変色した跡がくっきり出ている、全体的に黄ばみやカビも生えてきた状態。
実は以前、1時間のドキュメンタリー番組の取材を受けたとき、TVの中で実際にやったタペストリーと同じお客様からのご依頼品。
その時の動画はこちら
TVで放映 日本中で驚かれたシミ抜きとクリーニング動画・タペストリーは後編
このタペストリーの黄ばみ、カビシミを取っていく方法はTVで見た表具を直す職人番組の中で古い書のカビ取りなどをやっているシーンからヒントを得ました。
紙に出てきたカビシミを書かれた書を落とすことなく、紙も溶かしてダメにすることなく綺麗に取り・・・
使っていた薬剤も予測ができ、話から注意すべき点などもわかりいつか自分の仕事に役立つ時が来るかもしれない、と思って見ていたのでしっかりと覚えていました。
明治時代からのクリーニング家系で生まれ育ちましたので、昔ながらの方法とか使っている薬剤、その使い方をみて、その職人の話を聞くことでなるほどね、と腑に落ちた感じで見入っていました。
他業種からヒントを得て自分の仕事に落とし込むことが出来れば業界にはない新しい技術を作ることが出来るんです。
興味を持ち、どうしてだろう?なぜこんなことをするんだろうって疑問を持つこと。
今ある技術と技術を組み合わせて新しい技術を作っていく事が革新で私たちは革新を繰り返しながら生きています、だったかな・・・
私自身の友達でもあり息子健也の恩師でもある大阪の山崎勝さんに教えてもらい、やってきたことに自信を持つことが出来た言葉でした。
このタペストリーをどうしたらきれいにできるか?って教えてくれる人も答えられる人もいないんじゃないかな。
興味を持ち疑問を持つことで綺麗にできた一つの事例となっています^^
お母さんの形見 手縫い刺繍のタペストリー~カビ取り変色黄ばみ取り~
目次
◆七人の小人 手縫いのシルク刺繍
◆色滲みが出ないよう色止めから
-お洗濯の予洗いと同じ水で汚れを洗い流し
-色止め、防縮剤入りの洗剤でブラッシング洗い
-水分を減らして乾燥
-乾燥後に酸化処理による黄ばみ、カビ落とし
◆Before&After
-裏打ちされた紙部分
-一番濃くカビ・変色が出ていた部分
◆形見のタペストリー まとめ