おしゃれ工房you友(ゆうゆう) 大友眞吾です。
先週土曜日は臨時休業してしまい・・・
知らずにご来店いただいたお客様にはご迷惑おかけしてしまい申し訳ありませんでしたm(__)m
昔と今と比べ、色んな事が変わってきました。
クリーニング業界も時代の流れとともにどんどん変化しています。
という事で急遽、兵庫までお勉強しに行ってきたんです。今やっている靴クリーニング、スーツなど立体仕上げ方法などなど・・・
ほんのちょっとした工夫とかアイディア次第でまだまだ色んな事ができるんだなぁって
昔ながらのクリーニングを知っている私ってそろそろ化石化しているかなぁ(笑)
今できる事と新しい考え方とか技術を組み合わせるとまた違ったことができるようになる、そんなことを思わせてくれる兵庫クリーンフェスタ2018でした^^
クリーニングという仕事はちょっと特殊で物販とは違い形がない仕事です。飲食関係と同じように同じ材料と同じ機材を使っても作る人により味が違うようにおクリーニングも同じように同じ資材を使い同じように機材を使っても仕上がりは違うんですね。
この仕事はたとえ同じお客様から同じ服を依頼されても、汚れ具合など毎回状態が違います。
同じ服だからと毎回同じ方法で洗えば大丈夫ではないのですが・・・この辺りの考え方とかもお店により違います。
例えば汗。前回使った時は涼しく汗もかかなかったけど、今回は二中気温が上がり濡れるほど汗をかいてしまったとかありますよね。
汗をかいていない時はドライクリーニングで風合いや質感を重視して洗っても問題はないけど、濡れるほど汗をかいてしまったらドライクリーニングでは汗が落とせません。
シミ抜きで汗を取るなり水洗いをして汗を取るなどしていかないと次シーズンには汗により返照などが出てしまい着られなくなってしまったりします。
クリーニング店も機械化が進み、機械化が進むと安定した品質で洗い仕上げることができるようになりますが、服の状態に合わせて洗い分けたり、シミの有無を確認して取っていくといった作業はできません。
工程に合わないデザインや素材などが入り込んでしまうと事故が起きたり風合いや質感の消失など不具合が出てしまったりします。
色々とご説明していくととても長くなってしまうので(すでに長くなってる(;^_^A)
お客様からは色んなご相談をお受けしているのですが、素朴な疑問?って言うのもよく聞かれます。
その中で今回はシャツですが、同じシャツなのにYシャツと同じでは洗ってくれないとか、女性物のシャツはYシャツ扱いしてもらえないのはどうして?など・・・思ったことないですか??
Yシャツで出したら色褪せたり柄が一部焼失した、縫い目から破れたり縫い目が広がったなど・・・
安価なお店に依頼するからってよく言われたりすると思いますが、どんなお店でもほとんどの服は何事もなく洗って仕上げられています。不具合が出てくるモノって1%もないんじゃないかな。
依頼されるほとんの服は問題なく洗って仕上がっているって事です。そうじゃなければ仕事として成立しませんから。
クリーニング店の仕事はそのお店のコンセプトというか、金額に対して相応の仕事となります。どんな仕事でも利益が出てこない仕事はボランティアじゃないんだからありません。
じゃぁ、どうしたらいいかというと、お客様が依頼したいと思う服がお客様にとってどのくらいの価値なのかによってお店ごと替えて出し分けるしかないと思います。
という事で、どうしてこのシャツを選んで記事にしているのか・・・
興味がある方は続きを読んでみてください^^
例えばブランド品の場合だと3~5万円程度のシャツって珍しくないんです。スーツでも買えるくらい高価なシャツを100円でやるお店に依頼するのって無理がありますね。同じシャツって言われますが、同じではありません。価格相応の何かが違うんです。
ぱっと見はYシャツだと、何も言わずに出されれば受付はパートさんなのでそのまま受けてしまいます。数千枚~数万枚洗って仕上げてる工場では1点1点丁寧に確認をしてから洗うって量が多すぎてかなり難しいんです。
だからお客様ご自身が安価なシャツと同じような扱いをされないように注意して依頼するしかないんです。
そしてこのシャツ。
預かり時に柄がプリントだから説明しとかないと危険って判断しました。
見分けは簡単。上の表面の画像と裏面の画像を見ればわかります。
裏面には柄がありません。しかも透けて見えてもいないから表面に貼り付けられている状態。
Yシャツは単価が安い分、染み抜きなど手を入れなくても綺麗にできるよう、必ず温水洗い、洗浄力の高い洗剤と漂白剤を入れ通常の水洗いより長い時間、かなり強い洗浄がされます。
このシャツを同じように洗ってしまったらプリントがどんどん剥がれて行ってしまう可能性が高いんです。
プリントは永久的なモノではなく、早いモノだと2年程度で劣化し剥がれていくモノ。
Tシャツなど家庭で洗って使っているプリントTシャツも、よく使うものだと1~2年もすると剥がれてきたりしますよね。
ちなみにこのシャツのお客様、すべてブランド品で、シャツでも一枚2万円~3万円位のシャツが一番多いかな。
当店の場合、普通のYシャツクリーニングを受けることってほぼないお店。
当店のお客様も普通のYシャツとそうではないYシャツを出し分けているんですね。
ちなみにYシャツは一枚430円~、ブランド品で別洗いしていく場合、一枚1200円~1800円です。
たかがシャツで??って思われる方もいらっしゃると思いますが、例えばヴィトンとかハイブランドは一枚5万円とか、Tシャツで10万以上とかあります。金額より丁寧な仕事を望まれるお客様もいらっしゃいますから。
こちらはダンヒルのシャツです。
チェック柄になっていますが、こうした柄は先染め、後染め、顔料染めと大きく分けると3種類の染め方法があります。
先染めとは糸の段階で染め、その糸をを使い織り込んで一枚の生地にしたもの。良くシミ抜きで地色まで抜けてしまうモノもありますとブログでご説明してきましたが、先染めの生地の色を抜いてしまうと糸一本一本に色を入れて行く事はできないため、綺麗に直せなくなります。
シミ抜きの基本、色を抜かないようにシミ抜きをしなければいけない生地です。
後染めとは、生地として織られてから染められたモノ。基本1色で染められていて表裏同じ色になっています。基本1色というのは、後染めされた生地の上に顔料という塗料のを乗せることでいろんな柄を付けているものも多いんです。
先染めより色の堅牢度(定着力)が弱くなるので色落ちや色褪せしやすいかな。
顔料染めは文字通り顔料という塗料で色づけているモノ。
小さな色のついた粒子を接着剤で貼り付けて色を固着させる染色方法。
染色方法も色々とあるようで、表側が黒なのに裏側は白の場合、表面に顔料を乗せて色づけています。爪のマニキュアと同じような感じかな。
中には丸ごと漬け込んで表裏とも同じ色になっている顔料染めもあり、最近はナノ粒子と言って毛穴にも入り込むくらい小さな粒子もあり、繊維の目の中にも入り込むので見た目染料なのか顔料なのかわからないモノもあります。
丸ごと漬け込んでも繊維の芯までは染まっていないのである程度使うと擦れる部分など色が剥が繊維の色(ほとんどのモノは白)が出てきます。
濃紺、黒のジャケットやコートなど、ポケット周りや擦れる部分が少し使ったら白くなったって場合、ほぼ顔料染めされているモノで、よく使うとワンシーズンで白くなる部分が出てきたりします。
綿コートなど、新品時に張りと光沢がある綺麗な濃色に染められているコートの多くは顔料染めかな。
当店の場合だと、バーバリーコートの色修復のご相談が圧倒的に多いです。
左側が表面、右側が背中裏面です。
表裏同じ色、同じ柄になっていますのでこのダンヒルシャツは先染めのシャツですね^^
違う色の糸を使い柄を織り込んでいますので後染めとか顔料染めに比べ高額品が多くなります。
このシャツは糸も細くかなりの高級素材で作られたシャツです。
Yシャツと同じように洗えって言われたらお受けしません!(笑)
衿と袖口など汚れが付着しやすい部分は汚れが見えていなくても染み抜き掛けて皮脂を落とし、1点手洗いをしています。
衿が黒ずんだり黄ばんだりしないよう、全体の色も褪せさせないよう長く綺麗に愛用して頂けるよう洗っています。
糸も細ければ細いほど高級素材になっていきます。透けるほど薄い綿製品(綿ローンなど)は機械仕上げをすると糸の目が広がったり縫い目からちぎれたりすることがあります。
機械は素材を見分けて力加減を調節することができないからですが、機械仕上げができず手仕上げになると仕上げ時間は20倍以上の手間がかかってしまうんです。安価な金額でできるのは機械仕上げできるシャツだけなんです。
お客様ご自身の大切な服ですので、ある程度の事は頭に入れておき、お店を使い分ける事も大切なんです。
衿が黒ずんだり黄ばんだりしないよう、全体の色柄も褪せさせないよう、真っ白のシャツは真っ白のまま、長く綺麗に愛用できるお手入れをさせて頂いております^^