【洗い指定以外の工程に伴う保証について】

復元洗い等、洗い指定以外の工程を含む処理についてはクリーニングの保証対象外となります。
生地が耐え切れず溶けてしまったり、直せないほど変形してしまう等、
想定外の不具合が出てしまった場合は代金は頂かずご返品にはさせて頂いていますが、
弁償等の保証は一切できません。 それぞれ詳しく説明させて頂きますのでご了承願います。

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衿の変色、シミ抜き~表面コーティング(加工剤)が溶け出すシミ~

衿の変色、シミ抜き~表面コーティング(加工剤)が溶け出すシミ~


コートの衿 シミ抜き(2017年9月現在・税抜き)

今回の樹脂の染み出しシミ抜きは5000円

衿シミ抜きのみ      3000円~

樹脂の染み出しの場合、取れるモノ、薄くしかできないモノ、全く取れないモノとありますが現物をテストしないとわかりません。状態により悪化させてしまうケースもあります。いずれも素材の寿命となるため保証等は一切できません。

当店は衿、袖口は全品シミ抜きして洗っています。多少黒ずみが目立ってきた程度であれば通常クリーニングで取っていきます。

黄ばみはシミ抜きで除去できますが、色抜けなど出ている場合、シミ抜きでは治りません。


衿の変色、シミ抜き~表面コーティング(加工剤)が溶け出すシミ~

おしゃれ工房you友(ゆうゆう) 大友眞吾です。

1か月ほど前に投稿した記事ですが、この事例も経時劣化と同じ事例となりますので、続けて見られるよう再度投稿をし直します。

表面にコーティングされていた樹脂が汗や皮脂などにより溶け出し油シミのような濃いシミになってしまった状態。

ボンディング加工など、裏側に生地が貼り付けられているモノが溶け出してシミに・・・って説明で書いていますが内側で溶け出しこんな状態になってしまっているって事です。

触るとぺトペトしています。表生地が薄いとこの溶け出した樹脂が表生地に浸透してしまうため油シミのようなシミになるんです、というのが一目でわかる事例です。

前回投稿したモンクレールダウンコートの衿に出てきたシミは、このコートの衿と同じ現象が内側で起きてしまい、生地が薄いので染み出してきたという事です。色が濃くなる、油シミのようなシミなので両方を見ればこういう事かと納得できるのでは?

良く見かけるのがマッキントッシュのゴム引き、インポート製品に多いのですが薄い生地で光沢とか張りのある感じに仕上げてあるコーティングコート。当店の場合だとアルマーニのコートで見かける事が多いかな。

マッキントッシュ社のゴム引きコートと、エルメスやヴィトンで使っているマッキントッシュ(ゴム引き)とは加工自体が違うのか、マッキントッシュ社のゴム引きはバリバリに固くなったりって事はあまりなく、硬さが出てきても直すことができたりします。

ヴィトンのマッキントッシュは2~3年で着られなくなってしまったってコートを何着も見ています。

という事で、これ以降はそのまま再投稿しますので、依然読まれた方は同じ内容になります。


衿の変色、シミ抜き~表面コーティング(加工剤)が溶け出すシミ~

ダウン製品などにもよく見られるし、最近は軽くて暖かいって服によく見られます。画像は衿の裏側ですが綺麗な状態。

油シミのように見えるのでお客様はシミが取れないとご相談をされるのですが、これは表生地の裏側にされている加工が溶け出し、薄い生地だとそのまま表側まで染み出してきてしまうんです。

衿の変色、シミ抜き~表面コーティング(加工剤)が溶け出すシミ~

こちらは服に付けられている品質表示です。数枚付けられています。
この洗い指定部分は見る方もいらっしゃると思いますが、何枚も付けられている文字だけの部分って見ない方も多いのでは?

それでは、文字だけの表示も取りましたので見ながらご説明とシミが出てしまう原因、染み抜きアフター画像をご覧ください。

衿の変色、シミ抜き~表面コーティング(加工剤)が溶け出すシミ~

この表示説明はクリーニング店が一番見てるんじゃないかな。
とても大切な事が書かれていますが、一般の方が見ても良くわからないですよね。

最初に特殊な加工をしてある、服は風合い重視で作られているという事。この文面から、特殊な加工と言うモノが壊れやすいと憶測ができます。

シワ、チョークマークの発生、これも特性と書かれています。
チョークマークとは、文字通り色の濃い物など、少し硬いところや角部分にあたると、その部分に白い線ができてしまう現象の事。

濃い色の綿コートなど表面の色をコーティングするように色付けられているモノは良く出てしまいます。

少し下を見ると樹脂、コーティングと出てきます。
樹脂とは接着剤と同じようなモノ。接着剤を生地の表面に塗ってあるって事です。

そして、この接着剤は時間とともに劣化する、と書かれています。

使っていてもいなくても、置いておくだけで寿命がやってくる現象を経時劣化と言います。
目安的な時間は書かれていませんが、法律で定められた日本の基準では耐用年数2年とされています。

ユニクロ等ライトダウン、シームレスダウンなどには3年で寿命と記されていますね。
シームレス(縫い目がない)は2年程度で剥がれてしまうモノ多いようですが・・・

衿の変色、シミ抜き~表面コーティング(加工剤)が溶け出すシミ~

このコートの場合、購入した時点ではなく、この生地を加工された時点から寿命の秒読みが始まってるんです。このコートを作る作成段階から、末永く愛用できる服としては作られていないって事です。

濃色のモノと密着させると色が移ると書かれています。
似たケースでよくあるのがエナメルのお財布やバック。

これも表面の光沢は樹脂により作られています。
お財布など入れてあるバックに、不用意にレシートとか入れてしまうと文字が転写したように移ります。

これと同じ現象で、密着させてあると樹脂の中にインクや染料が浸透して移り取れなくなります。人工皮革なども同じ現象が起きてしまいます。

衿の変色、シミ抜き~表面コーティング(加工剤)が溶け出すシミ~

表示に加工が記されているモノ、ない物とありこうして記されているだけで良心的なブランドだし、表示に信頼が持てるブランドって予想ができます。

この樹脂を使った加工はポリウレタン樹脂が使われますが、樹脂を作る材料や作り方により、湿度に強い物、乾燥に強いものなど色々あります。

革ソファーより高額なウレタンソファーなどもあり、この場合は水も染み込まなければシンナーで拭いても溶け出さないってモノもあります。

気候に合わない樹脂を使っていると、1~2年で溶け出すものもあります。マッキントッシュで有名なゴム引きもゴム樹脂と言われる樹脂です。

日本製のバーバリーが無くなり、日本製のマッキントッシュが販売されていますが、表示にはポリウレタン樹脂コーティングと書かれているモノがあります。日本の気候に本家より耐久度が高いのかどうかは、あと数年しないとわかりませんが・・・

ゴム樹脂もポリウレタン樹脂も総称して

こうした樹脂の溶け出しって、衿に出てしまう事が多いのですが、衿には皮脂が付くからです。油(脂)汚れなので、油により接着剤が溶け出しが早くなるので、皮脂が染み込んだ部分のみが溶け出していきます。

マッキントッシュでもよく見られますが、同じです。

洗うのが怖いから、と洗わない方ほど出てしまうって事です。
着たシーズンの汚れはしまう前に落としていくのが長く綺麗に愛用するための秘訣です。

溶け出しかかっていると、クリーニングすることが原因で一気に出てくることも多く、クリーニング店が悪いと言われてしまいます。

だから、ボンディング、コーティング製品など、2年以上経っている服は断られたり、不具合が出てしまっても保証できないことを了承しないと洗ってもらえないってケースがどんどん増えていると思います。

お客様からはクリーニング店の技術がない、と言われてしまうわけですが、元をたどれば作られ方。

寿命が来る素材や加工をした時点で末永く愛用はできないからです。

出てから説明をしても、3年程度で着られなくなるってお客様は納得して頂けません。
だからクリーニング店はしっかりとした説明をもっともっとしていかなくてはいけないと思います。

洗えないとただ断られても納得できませんからね。

でもこの説明は販売する時にしなければいけない事なのでは?と・・・
10万円するデザインブランドの服を、3年程度で着られなくなるかもしれないと言ったら売れませんから・・・

お客様ご自身で知り、覚えておくしかないですね。
自分の身は自分で守るしかない。

とても大切な事だから・・・最初に選んだ記事が悪かった・・・
長くなってしまった・・・

もっと簡単に説明できる事例を次回は選んで載せますね(滝汗)





 
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