
クリーニング店にシミ抜きで出しても取れなかったというシミ。
素材はシルクとカシミヤの混紡。
混紡率は半々位だったと思います。
カシミヤ、シルクともに糸が細く、
簡単に色抜けしてしまう素材です。
さらにカシミヤ、シルクともアルカリが強いと溶けてしまう素材。
このセーターは糸が細く、かなり注意してやらないと穴が開いてしまいます。
先日、漬け置き洗いが有効です、と記事にしましたが、このタイプのセーターは
酵素入りアルカリ洗剤に長時間漬け置きするとダメになってしまいます。
通常配合されてる酵素は、
タンパク分解酵素、
でんぷん分解酵素、
脂肪分解酵素、
の3種類が配合されています。
カシミヤ、シルクと言うのは、
たんぱく質を含む素材で、
タンパク分解酵素入りの洗剤に漬け置きするとその名の通り・・・分解されてしまうのです
さらに、アルカリに弱く、アルカリ洗剤にタンパク分解酵素が配合された洗剤に漬け置きすると、
目に見えて生地が痩せてしまうのがわかります。
カシミヤ、シルクを手洗いしようと思う人は少ないかもしれませんが、
手洗いしようと思ったら酵素が配合されていない中性洗剤で洗うか、
短時間で洗い上げすぐに洗剤をすすぎ出さなければいけません。
ただし・・・シルクが混紡されてる場合は・・・

シルクの混紡率が多くなればなるほど、
注意して洗わないと風合いの変化がかなり出てしまいます。
シルク100%のニット製品で、
手洗い可表示が付けられてる物が時々あります。
でも・・・洗濯機の手洗いコースで安易に洗うと・・・
悲しいくらい風合いに変化が出たりします・・・
今回のこのセーターはシミ抜き後に水洗いをしています。
脇に汗による変色がうっすら出ていたため、
今以上に濃く変色しないよう水洗いして汗を処理しました。
最初にドライクリーニングで汚れを落とし、水洗いは汗を取るのみで、
揉んだりふぐったりはせず、洗剤の中でほんとに軽くソフトに押し洗い。
すすぎも同じように手で絞ったりせず洗剤を軽く押し出してすすぐ程度です。
脱水もほんの数秒で止め、後は形を綺麗に整えて乾くまで平干ししています。
水分を含んだ状態でハンガーで干してしまうと、水分の重みで伸びてしまいます。特にシルク、レーヨンニットはかなり注意して洗い、
平干ししないと着られなくなってしまいます。
シルク、レーヨンニットの場合、シミを付けると簡単には取れません。
レーヨンニットは一時かなり流行りましたが、素材の難しさにクレームが絶えませんでした。
今ではあまり見かけなくなりましたが・・・インポート物は今でもかなり多いです。
海外では光沢と独特のしなやかさがうけ、レーヨン素材はかなり人気が高いようです。
今回はシミより先に地色が抜けていきました・・・(^^;
お受けする時に説明をし、完全に取りきれないかもしれませんとお伝えしお受けしました。
シミが取れないまま何度もクリーニングされ、時間も経っているので、
黄色く変色した部分が地色が剥げて白っぽくなってもなかなか抜けませんでした・・・。
今回はできる限り変色を落とした後、黄色の変色を目立たなくなるよう色掛けしながら、
白っぽく色が抜けてしまった部分を部分染色して色を元に近い状態になるよう補正をしました。
画像をアップで見るとわかるかもしれませんが、
着ていればわからないレベルにはできたと思います。
先日、美容師のお客さまと色補正のお話をした時、
「そんな所までクリーニングの仕事範囲なの?」とおっしゃいました。
ここまでやらなければ取れないシミは金額が高くなります。
今回のように色補正までするとなると一箇所1500円~くらいになってしまいます。
ただ、色補正ができなければこのシミはそのまま残ったままになってしまいます。
どんなに高級な服でもまん前に目立つシミが付いていたら服の価値がなくなってしまいます。
仕事は、
出来るけどやらない のと、
出来ないからやらない とでは
意味合いが全然違います。
お客さまがどこに出しても取れないシミで困っている時、
何とかしてそれを取ってあげれる知識と技術を身に付けたい・・・
お客さまが諦めてる服を、
「捨てるなら試しにやらせてくださいm(._.*)m」
とお預かりしています。
誰もがもうダメでしょうと思うような物こそ・・・自分にとってスキルアップのチャンスなんです。
どんな状態の服でも諦める前に相談くださいね^^

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