今回のダンヒル革靴参考価格 2015年9月現在(税抜き)
クリーニング、シミ抜き、殺菌消臭、色修正 20000円
カビの程度、シミの状態により金額は変わります。
表面の仕上げられ方により取れないもの、綺麗にできないものがあります。
おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友 眞吾です。
途中、お財布のご紹介をはさみましたが、またカビ・・・今回は革靴です。
ずっと天気も悪く、毎日カビのご相談をお受けしています。
今回はダンヒルの革靴です。
車の中に入れておいたら窓が少し開いていて・・・気がついたらこの状態・・・
片方の靴の中には水が溜まっていたとの事。
暑い日は車の窓を少し開けておく事多いですよね。
風の強い日に砂埃が舞込み気がついたら真っ白にとか、今回のように雨が舞い上がって入り込んだり・・・
浜松も台風直撃し、車の修理屋ではカーシートクリーニングで忙しいとか・・・
今回は気がつくのも遅く、この状態なのでお客様も半分は諦め・・・って感じでした。
が・・・色が変わってもできれば履きたいとの事。
ダンヒルですから・・・簡単に買い換えもできないと思います。
結構・・・いってます・・・
表面のシミは内側から表側まで染みでたもので、つま先全体が黒っぽくなっており、
内側を見てみると黒ずんだ部分全体にカビが生えています。
密集した感じで生えており、最初の画像底面と同じような感じ。
この爪先部分に水が溜まっていたのかな・・・
底面が革なので、革がそのままカビの栄養素となるため、繁殖、侵食が進んでおり、
こちらは取れないでしょう。
今回は本体の薄い色で黒ずみは簡単には消えないので、薄っすらと色が濁った感じになる可能性、
ニオイも革が厚いので取りきれない可能性などご説明させて頂きました。
どのみちこのままでは履けずダメなら破棄するつもりだからやってみてくださいと言う事でお預かりです。
最終的にはデザインを変えてしまえば、例えばつま先の黒い部分、濃い焦げ茶で先端だけ色を変えたり、
全体を黒に色変えなど方法はありますので、この辺りもご説明させて頂きました。
まずは、元通りの色で修復を目指して、カビ取り&リメイクです^^
仕上がりです^^
色々とかなり手を尽くしてやっていきました。
洗う前段階で、出来る限り臭いとカビを取るよう殺菌処理。
底部分はかなり強い殺菌剤を塗りこみ、洗い流してって感じで数回繰り返してやってみましたが・・・
侵食していたのでかなり落としてみたけどこんな感じ。
底部分だから、無理して革が傷みすぎる前に止めています。
内側から時間を掛けて浸透した状態だったので、
ひどかった右足爪先部分はふやけた感じのボコボコが残っています。
どんな物でも、目立たなくなるよう補修することは出来ても、
傷みそのものを直すことは出来ません。
爪先部分、傷など部分的に色入れをしていますので全体の風合いは変化していません。
縫い目部分のカビは奥の目詰りしている部分まで細いブラシで取っていきましたので綺麗になっています^^
時折、全体を染め直すことで質感や風合いが消失しているものを見かけます。
あまりに気の毒で、塗料を剥がして修復をした事例もありますので、次回ご紹介しますね^^
今回は全体を同じ色で染色し直すのではなく、傷や色が変わっている部分のみをシミ抜き、染色で直していきました。
スレて傷になっていた部分は表面のみ、革が深く削られてられてはいませんでしたので綺麗に直りました^^
この部分も傷のみを修復です。
爪先部分は厚め目に色を入れたため、色は同じなのですが光沢に変化が出ています。
なので、全体の光沢を合わせるよう、トップコートをして仕上がりです。
今回は薄いピグメント(顔料染め)仕上げされたものでしたので元の色で修復ができましたが、
仕上げられ方により綺麗にできない物もあります。
綺麗な新品の革を加工するわけではないので、状態によっては変化が出たり、色を濃くしたりなどしないと上手く直せない事もあります。
クリーニングするだけであれば問題はないのですが、シミやカビが発生した場合、お預かりするモノ全て、仕上げ方法も質感も不具合の出方も違いますので、現物を見てみないとお見積りもお答えも難しいです・・・