【洗い指定以外の工程に伴う保証について】

復元洗い等、洗い指定以外の工程を含む処理についてはクリーニングの保証対象外となります。
生地が耐え切れず溶けてしまったり、直せないほど変形してしまう等、
想定外の不具合が出てしまった場合は代金は頂かずご返品にはさせて頂いていますが、
弁償等の保証は一切できません。 それぞれ詳しく説明させて頂きますのでご了承願います。

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靴クリーニング&リメイク~クロケット&ジョーンズ風合い修復~

靴クリーニング&リメイク~クロケット&ジョーンズ風合い修復~靴クリーニング&リメイク~クロケット&ジョーンズ風合い修復~

今回の クロケット&ジョーンズ リメイク参考価格

色落とし、クリーニング、加脂形成、磨き仕上げ
20000円(税抜き)

※一度塗装された物の剥がしてのやり直しは今現在、基本お受けしておりません。
今回は工程などご説明のためのご紹介です。



おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友 眞吾です。

今回は他の店に依頼した靴(画像左側)を右画像のように直した工程を画像に撮りましたのでご紹介です。

まず最初に、一度色を入れられたものは基本お受けしておりません。

と言うのは剥がすという作業に手間がかかること、縫い目やシボ(シワ)等に塗りこまれた塗料は取りきれない部分などもあり、剥がすために使った薬品は認可を取った産業廃棄物処理業者へ依頼して処分してもらうことになります。
結構使います・・・

一度手を入れられて出た不具合を直していくのは上手く直せない部分があったり、
何も手を付けていないものと比べると何倍も手間がかかってしまうんです。

以前はお受けして直していたりもしたのですが、皮革を扱うお店が増えるに連れ今回と同じようなご相談が増えてしまい、残念ながら他のお店の仕事のやり直しまではお受けできない状態となってしまっております。

では、どんな状態になる?何がそんなに手間がかかる??など言葉でのご説明は難しいので・・・
ブログでご説明しようということでご紹介です。


靴クリーニング&リメイク~クロケット&ジョーンズ風合い修復~靴クリーニング&リメイク~クロケット&ジョーンズ風合い修復~

まずはお預かり時の状態。
お客様は知人に結構上手いよ!っと紹介され依頼されたとのことでしたが・・・

風合いや質感も全く変わってしまっておりびっくりされたとのことでしたが、
まぁ、履けないわけじゃないからと履いたところ・・・

一度履いたらこんな状態に。つま先の折れ曲がる部分が一度で剥がれてしまい履けなくなってしまったとの事。
軽くクリーナーを付けて拭いたところ、右画像のように簡単に剥れてきました。


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よく見るとその他の部分も剥がれて元の色が出てきている状態でした。
ぱっと見た時にはわからなかったのですが、よくよく見てみたら7~8万はするクロケット&ジョーンズの靴(滝汗)

とても高級靴には見えませんでした(涙)

依頼したお店へは、こんな仕事をするお店へクレーム掛けても良くなるとは思えないからと、
当店を訪ねてきてくれたとのことでした。


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お断りするもう一つの理由も画像を見ていただけばわかります。
最初の質感や風合い、色や光沢などの質などが全くわからない・・・

ご依頼時の汚れやシミ等状態もわからないから、依頼された最初の状態より良く出来るのかさえわからない・・・
手探りで元通りに戻せって言われても・・・難しいです。

よく、ペンキをべったり塗ったような、とお客様からご相談をされますし、厚塗りをすると質感が変わるって説明を業者から受けたことがある方も多いと思いますが、こんな感じになるということですね。

表面を見ると塗った感がそのまま見えます。お客様も同じ事をおっしゃっていました。
右画像、縫い目付近も何もせずそのまま厚塗されているため塗料で埋まっています。

靴本体の縫い目も同じく塗料で埋まっています。

今回は、お客様が依頼したお店にクレームを掛ける気はないということ、あまりにも簡単に色が剥がれること、
何より、あまりにも気の毒に思えたから・・・お受けさせて頂きました。

この塗料を剥がすとどんな状態になるのか、最初の仕上がり画像にするまでの工程を画像に撮っていますので、
画像とご説明をしながらご紹介です^^

色を落とした時点でびっくりしますよぉ(笑)

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まずは洗う前に塗られて塗料を薬品で取っていきます。
この段階で表面の油分も取れてしまうのでかなり白けた感じになります。

革は使っていると色が薄くなってきますが、油分(ワックス)を入れることでまた濃くなります。
皮革製品は油分補給をしていけば使用による傷みなどで擦り切れるまで愛用できるほど丈夫です。


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革の縫い目付近は爪楊枝で塗料を掻き出したり、細いブラシで取って行ったりして行きました。
シボ(シワ)に埋まった塗料も丁寧にできる限り除去して行きましたが・・・ここまでの作業だけでもかなりの手間を欠けています。

このあと、水洗いをしながら再度塗料のカスを洗い流し、右画像は抜けた成分と必要性分を塗りこんでいるところです。

油分、皮革用柔軟剤、皮革を形成しているコラーゲン、保湿剤など、当店は独自でブレンドし、入れています。
靴として作られてから、古い油分をここまで取り除いたあと、新しく入れていくって通常されることはないから・・・

ある意味ここまで手を入れたことって靴にとっては良かったのかもしれないですね^^

かなり油分が抜けていたので、必要性分を塗り時間が経つと完全に吸い込み、更に塗りと4回ほど入れて行きました。

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左画像は必要性分を塗った直後、右画像は入れ込み乾燥した状態です。
元々は赤っぽい茶系とのことでしたが、色がかなり戻っていますね^^

乾いたあとの色、質感を確認し、染色は必要なしと判断。
触った感じは弾力、柔軟性が戻りかなり質の良い革靴の風合いになっています。

洗い後、色が薄くなっているからとそのまま染色されてしまうと抜けた必要成分が全く足りないので、
革そのものが傷んでしまいます。この辺りはどうしていくかは作業する方の判断次第です。

でも、色が薄くなったから染色しなければいけない、ということが間違いだって一目でわかる事例ですね^^


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さらに表面仕上げ用ワックスを入れ込み、磨いていきます。
左画像、右足が磨いた状態です。

両足磨いて仕上げた画像は一番最初の画像、右側になります。
磨いて光沢を出していく際、油分と水分が必要なんです。

オイルを入れて磨き、水分を少し入れて磨き・・・
を繰り返していくと光沢がどんどん出てきて、鏡面のような仕上がりにも出来ますね^^

通常市販されている白い靴クリームは水に油が入れられているため白く乳化していますから、
塗って磨くだけで艶が出てきます^^


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余分なものを取り去り、必要なモノ以外は入れておらず、艶も磨きで出しているだけですから、
最初の状態は見ていませんが、おそらく新品時はこんな風合いだったと思います。

もちろん染色など色入れもしていません。

若干の黒ずみなどは、革独特の「味」ですよね。
この靴の場合、おそらく新品時から多少なりともムラ感のある仕上がりになっていたと思います。

縫い目付近に埋まっていた塗料も出来る限り取っていきましたが、よく見れば残っています。
でも、この辺りが限界かな・・・

靴クリーニングを扱うお店もかなり増えてきていますが、服同様、洗えばいいってもんじゃないんです。
例えばカシミヤなど獣毛品は毛皮同様、生きている時の油分まで取ってしまったらパサパサになるし傷んでしまいます。

クリーニング=汚れなどを除去して綺麗にすることですが、同時に必要な成分も抜けて行きます。
皮革も同様で、皮革用洗剤は油分を補給しながら洗うように作られていますが、抜けてしまった油分を十分に補給するには足りない。

だから、クリーニングに依頼後、革がごわついていたり、パサツキがでていて少し曲げるとヒビ割れそう?
って感じる場合は油分補給が足りていません。

ちなみに、今回のように簡単に剥がれる塗装をされた場合、上からもう一度塗装をしてもうこれ以上は無理って返されるケースもお客様からお聞きしていますが、剥がれた箇所を隠すように塗装を上から重ねても下の塗装から剥れてきますので意味がありません。

今回のような作業ができるお店があるとしたら・・・クリーニング店だけなのでは?と思います^^












 
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