
スウェードのバックです。
裏皮と似たような風合いですが、
裏皮をサンドペーパーでベルベット状に起毛し、
なめした皮の事です。
毛足が短く、柔らかい物ほど上質とされています。
今回のバックは、シミが目立って気になる・・・と依頼された物。
表皮と違い、シミが付いたり汚れたりすると・・・
表皮の場合、色掛けする事でしみが残っても見えなくなります。
裏皮の場合起毛してるので、色掛すると起毛の間に染料が入る込むので、
濃く染料をかけていくと風合いが変わってしまうのです。
皮製品は染料の定着力が弱く、少し擦ったりするだけで色が剥げてしまいます。
皮のショルダーバックを肩にかけていると色が移る、
皮のジャケットの下に白いブラウス等を着てると色が移ってしまうのも定着力が弱いからです。
シミ抜きをするとその部分は色が剥げます。
濃いシミの場合、そのまま染料で隠そうとするとかなり濃く染料を乗せなければならなくなるので、
まずシミをできる限り取る、取れなくてもうすくするしなければいけません。

裏皮の場合、無理なシミ抜きをして起毛部分の起毛まで取れてしまうと修復ができなくなります。
色掛も濃くすることができないためシミが付くと取る事がかなり難しくなってしまいます。
付いたシミが皮を傷めることなく抜ける場合は綺麗に直りますが、
シミが取れない場合、シミが残ってしまう事があります。

今回は綺麗に修復できてきました^^
使用中に擦れてテカリが出てた部分も綺麗に修復されてます^^
服のシミでもバックのシミでも、
100%綺麗にできると言えません。
簡単に取れると思ったシミが、
何をしても取れない・・・って事もあります。
ただ、取れないからと簡単に諦めたりしてません。
思いつく限り色んな方法を試し、努力しています。
どの職人もプロとして、お客様に喜んでもらえるよう、
試行錯誤しながら日々奮闘しているんです^^