シャネルシルクブラウス染色参考価格(2020年9月現在.税抜き)
今回のシャネルシルクブラウス色修復(全体染め直し) 35000円
服の素材、状態により難易度、工程、手間がすべて変わってくる場合は、基本すべてお見積りとなります。
服の状態を見ないでのお答えが難しいご相談も多くあります。
LINEなら手軽に画像が撮れ間単に送れますのでご活用ください。
※ 現物自体を確認しないとお答えが難しいこともあります。
おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友 眞吾です。
ちょっとお怒りのお母さん

からのご相談が時々あります(汗)
「脱ぎ散らかしているから洗ってやってるんだけど・・・」
「今回のは水洗いしちゃダメな服だったらしく色が剥げちゃった・・・」
「でもさ、そこまで文句言わなくてもいいじゃんねぇ!何時も洗ってあげてるんだから

」
うんうん(汗)・・・(滝汗)・・・・・・・(大汗)
しょうがないねぇ・・・って拾い集めて、洗ってあげる。
洗い終わって洗濯機開けてみてみると・・・
今回は・・・それがシャネルのシルクブラウスでしたぁ・・・
しょうがないなぁってやってくれるのが親心ですよね。
良かれと思ってやってあげたのに・・・事故・・・
最近はコロナの影響で自粛、節約を考えて家庭で洗う方も増えてきました。
でも増えていけばいくほど、こうした事故も比例して多くなっています。
事故ではないけど、夏物衣料をしまう前の洗濯の仕方も重要。
洗濯機も、洗剤の性能も上がっていく中で、洗濯が、洗濯機という箱に入れて洗剤セットしてスイッチ押せばなんでも綺麗になるって思われている人が多くなってきています。
汚れを落とすことが洗濯だけど、洗濯という工程をすることで満足してしまっているのかな。
お客様から家庭洗いについてもよく質問されますが、例えば洗濯機のソフト洗いコースで洗う場合、まず最初に揺らし洗い、押し洗いをしてから洗濯機に任せないと汗すら満足に落ちてません、とアドバイスします。
すると結構びっくりされる・・・洗濯機なのに、洗えていない・・・
洗うという工程が目的ではなく、汚れを落とすことが目的で洗濯をしているはずですから。
これはクリーニングに依頼する際にも同じことが言えます。
汗を落としてからしまいたいと、クリーニング店に依頼してもドライクリーニングしかされていないと汗は落ちずにそのまま残って帰ってきているんです。目的である汗が落ちていない・・・
あと最近急激に増えているのが、身に覚えがない、色抜け。
かなり出ている色抜けですが、これもコロナの影響かな・・・
服の色が抜ける原因って想像できるかな?誰にでも起こる事故です。
その辺りも含め、シャネルシルクブラウス、色修復です^^
興味ある方は続きからどうぞ^^
まず色抜け事故の原因は・・・
通常使っていて、服の色が抜けるような事象ってめったに起きないんですが、殺菌で塩素がいろんなところで使われるようになり、殺菌で使った塩素が服に付き、色が抜けてしまうんです。
駅のトイレ、式場とか居酒屋など、不特定の人が使う水場は塩素で殺菌をしているお店も多くあったので、少数ですが前から色抜け事故ってあったんです。
背中とか、絶対にシミもつかないような場所に、ポツンと色が変化している・・・
シミは本体の色より薄くなることはないので、本体より色が薄くなっているなってかんじたら色抜けの可能性が高いです。
シミが付いて色が薄くなる場合は限られていて…
例えばペンキとか接着剤など樹脂系のシミは白くなるというかテカリが出たり硬くなったりします。ペンキなら付いた色がシミとなりますね。
ペンキって小さな色のついた粒子(顔料)を接着剤で貼り付け色づけているんだけど、顔料を使っている化粧品も本体より薄い色のシミができます。口紅とかファンデーションとか黒い色につくと薄い色のシミになります。
あとは食べこぼしのシミで、乾くと結晶化して白く出てくるもの。砂糖とか塩とか、水に溶けると見えなくなるけど水分がなくなると結晶化して白く出てきます。
ペンキなど樹脂系のシミは触ると質感が違うのでわかると思いますが、これは家庭では落とすの難しい・・・クリーニング店へ依頼しても取れるお店はごくわずかになると思いますが付くことはあまりないと思います。
化粧品と結晶化して出てくるものは、台所用洗剤の原液を使って染み抜きをしてから洗えば落とせます。
過去記事見て頂くと染み抜き方法など書いてきていますがまたの機会になりますが、また説明も載せていきますね^^
塩素殺菌する場合、塩素で殺菌した後、水で洗い流してからふき取っていきますが、ふき取りが甘く水滴に塩素が残っていると色抜けが起きます。
薄まっているので即抜けるのではなく、時間とともに少しずつ色が変化していきます。色柄物の場合だと、ベージュ系~オレンジ系の色になることが多いので、シミが付いたって思われるんです。
何度も説明してきていることですが、色って基本赤(マゼンタ)、青(シアン)、黄色(イエロー) の3色から作られていて、抜けていく順番があるんです。
一番抜けやすい色が青。だから黒とか紺色は青が抜けると残る色は黄色と赤になるので赤っぽい色に変化し、青が少し残るとベージュ色に変化するんです。
服の色をそのまま作って直そうとしても、抜けていない色が重なり混色されるので違う色になってしまうんです。
色抜け修復は、色を補正する理論を理解していないとできないので、この修復技術を色修正とか色補正と呼んでいます。
染み抜きの話をするお店は多いけど、色の話をするお店は少ないでしょ?色直しができるお店ってまだまだ少ないんです。
今回色修復のシャネルシルクブラウスに触れずに話をしてきましたが、色の話は全てこのシャネルシルクブラウスの色修復につながっています。
同じシルクでも織りにより全く別物になったりもします。例えばシルクのパジャマなんかはしっかりと糸を撚り(何本も糸を束ねてねじって一本の糸にしていること)しっかり織られ洗濯機で洗っても問題ない状態のシルクで作っています。
もっと柔らかく弾力もあり手触りもよいシルクは糸の撚りも緩く、織りも質感がよくなる織り方がされているので、水洗いをすると縮みが出たり変形したり、簡単に色抜けが起こるなど扱い方がとても難しくなったりします。
このシャネルブラウスの色の抜け方の状態を見て、繊維の傷み具合、触った感触から糸の撚り、織りを確認し、どうやって染色していくのかを考えます。
一部の色のみが抜けて色自体が変化している、単純に擦れにより色がはがれている、白く色抜けが起きている部分の生地の状態は?
例えば丸染めをして染める場合、繊維の傷み具合により染まり具合も左右されます。
全体の色を見て、全体の色が赤みが強く出て紫色っぽく見えたり、黄色みが見えていたりする場合、そのまま黒を入れても黒の中に黒いムラができたりしますし、どんなに濃く入れても赤みが消えなかったりします。
この場合は部分的な色を直すときと同じように色補正して色の傾きを直してから黒に染めていきます。
赤に傾いていれば黄色、青、混色させて緑色などを入れ、赤青黄色を1対1対の、どこにも偏っていない色にできれば綺麗な色に染まるんです。
どこにも偏っていない色を無彩色っていいます。
言葉にするのは簡単だけど、実際に不具合が出ている服を、しかも見る場所によって色が変わっているからやるとなるとかなり難しいんです。
あとは染料、顔料をうまく使い分け、質感をできる限りそのまま残して色を入れていきます。
染料、顔料とも油性系、水性系とありそれぞれ特徴があります。
顔料は色の粒子だけど、粒子の大きさもいろいろとあり、細かい粒子はナノ粒子と言って肌の毛穴にも入り込むほど小さな粒子になります。
何をどう使っていくかはそのお店の技量次第です。
バックでも靴でもお財布でも、お洋服でも、納得できる説明をしてくれるお店が信頼できるお店になると思います。
出来ないことは説明できませんから・・・
染料でも顔料でも色は一度入れてしまうと簡単にとることができません。
ある程度知識をもっていないと、説明を聞いても難しいしわからないですよね。
知らない事って、何がわからないのかわからない状態ってよくあります(汗)
ということで簡単な説明ですが参考にしてください^^