【洗い指定以外の工程に伴う保証について】

復元洗い等、洗い指定以外の工程を含む処理についてはクリーニングの保証対象外となります。
生地が耐え切れず溶けてしまったり、直せないほど変形してしまう等、
想定外の不具合が出てしまった場合は代金は頂かずご返品にはさせて頂いていますが、
弁償等の保証は一切できません。 それぞれ詳しく説明させて頂きますのでご了承願います。

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シルクワンピース あきらめていた血液シミ ~3年前に取れなかった血液~

シルクワンピース あきらめていた血液シミ ~3年前に取れなかった血液~明けましておめでとうございます!(滝汗)

おしゃれ工房you友(ゆうゆう) 大友 眞吾です。

ブログ更新も間隔が空いてしまい放置状態に・・・
ご挨拶も遅くなり・・・申し訳ありませんm(__)m

画像の整理も出来てなく、今年一番最初の記事はは何にしよう?

っという事で、結構困ってる方が多い血液のシミにしました。

当たり前ですが女性の方が圧倒的に多いシミですね。
スカート、スーツなど時折ついてしまうモノです。

血液はついてすぐなら水で軽く揉み洗いすれば取れるのですが、
時間とともに血液中のたんぱく質が固まっていき取れなくなっていきます。

時間が経つとシミは取れなくなると言われますが、
その代表的なシミの一つです。



付いて乾く前なら水洗いするだけで取れてしまいます。
乾いてしまうと揉み洗い、洗剤を付けて揉み洗いなどしないと取れなくなります。

1日経ってしまうと、揉み洗いしてから洗っても薄く残ってしまうようになり、
2~3日経ってしまうとかなり濃く残ってしまうようになります。

1週間以内程度なら、一点ずつ素材とシミに合わせた染み抜きができるお店へ持っていけば取ってくれると思いますが、素材によっては取れないモノも出てきます。


シルクワンピース あきらめていた血液シミ ~3年前に取れなかった血液~シルクワンピース あきらめていた血液シミ ~3年前に取れなかった血液~

今回はその代表的な素材、シルクのワンピースです。
平織の柔らかい素材だからシルクシフォンかな?

ちなみに、ちりめんっぽく全体に細かなシワがある柔らかい素材はジョーゼットと呼びますね。
この素材は水を付けただけでキューって感じで縮むものが多く先日水洗いしたモノは丈が15センチくらい縮んで直すのにめちゃくちゃ大変でしたぁ・・・(汗)

糸の撚りも弱く触った感じがギシギシ感というか、シルク独特の手触り。
扱かった人ならわかるけど、すごく簡単に色が抜けてしまう、そんなシルク素材です。

平織のシルクオーガンジーとの違いは、オーガンジーは張りがあります。
糸の撚りも強く、細く透けるほど薄いけど張りがありますね。

シルクパジャマなどは少し厚手の平織になってるから、厚手のオーガンジーになるのかな・・・
また調べてみよう・・・

同じシルクでも色々とあるのですが、色が抜けやすいモノに取れにくいしみがつくと、染み抜き後に染色して直していくことになるため、シルク製品はクリーニング店に染み抜きで依頼してもほとんどとれずに帰ってきてしまいます。

今回も、クリーニング店へ染み抜きで依頼しても取れずに諦めていたとの事。
血液がついてから1週間とかではなく3年ほどは経っているとの事。

触ってみるとタンパク質が固まり少し硬くなっているのがわかります。

酵素でたんぱく質を分解した後洗い流すという方法でシミを取っていきました。
めちゃ時間かかったぁ・・・




シルクワンピース あきらめていた血液シミ ~3年前に取れなかった血液~シルクワンピース あきらめていた血液シミ ~3年前に取れなかった血液~

シルク製品の染み抜きはクリーニング店が手付けて水シミができてしまい返却されたって事例をたくさん見ています。
水洗いを得意とする某有名店へ依頼したというものはシミが取れないだけならよいのですが、表側からは見えないよう裏側に酵素を付け、そのままの状態になっているものもありました。

水を付けるとそのままシミになるのでつけたまま洗い流さない状態。
高額品で水を付けただけで縮みが出るシルクなので、テストもせず広範囲に酵素を付けてしまったんでしょうね。

お客様は気が付いておらず、お見せしたらびっくりされていました。

シルク製品は水を付けるだけでシミになってしまうものって結構あります。
水洗いできない服に水を付けてシミができると、取ってくれるお店はとても少なくなります。

代表的なのがネクタイですね。水で叩いたらシミも取れないけど大きな輪シミができてしまったってかなりたくさんお受けしています。

シルクには水、ファブリーズなど消臭スプレーも吹き付けるとシミになり、シルクの場合だと水シミを取ってくれるお店は探しても見つからないほど少なくなります。簡単にやってみないとわからないと受けるお店の場合、これ以上は繊維を傷める・・・の札とともにほぼそのまま帰ってきます。

今回もかなり広範囲なので大きな輪シミを作らないよう小さく分けて酵素分解、洗い流し残っていたらまた酵素分解、とかなりの時間をかけて染み抜き、輪シミ処理とやって取っていきました。

酵素分解はタンパク質を分解するまでに20分~30分程度かかるので染み抜きを始めるとかなりの時間がかかってしまいます。分解力を強くすると、シルクはタンパク質から作られている繊維なのでシルクそのモノも分解してしまい脆化(ぜいか・溶けて細くなる)します。

血液の染み抜きは酵素分解処理までできるお店の場合、クリーニングに出す前、出した後で金額がかなり変わります。
クリーニングに依頼すると乾燥、仕上げなどで必ず熱処理をされるため、ちゃんとしたしみ抜きをされないと取れないだけではなく、血液を採れにくい状態にされて帰ってきてしまいます。

あと、時間が経っていないモノ、経っているものでも金額が変わります。
シミや汚れは付いたら早く取らないと取れなくなる、と言われますが食べこぼし程度ならある程度時間が経っていてもほぼ取ることができます。たとえ10年、20年前のシミでもほとんどのものは取ることができます。

時間と競争のように取れなくなっていくものもありますが、血液はその代表的なシミ。
付いて完全に乾いてしまう前なら水で洗い流すだけで取れます。
乾いてしまうと揉み洗いなどしないと取れなくなります。

乾いて翌日になると水で揉み洗いでは取れなくなり洗剤を使って揉み洗い。
2日経つと洗剤で揉み洗いしても残るようになります。

こうなると酵素入り洗剤などをお湯に溶かして浸け置き洗いをする。
取れなければ酸素系漂白剤を使い浸け置き漂白をしないと取れなくなります。

ただし、家庭で水洗いできるものでないとできないので、水洗いできない衣類は取れにくい状態で染み抜き依頼するとかなり高額なしみ抜きになってしまいます。

しみ抜きにかかる時間と手間により金額も変わるので、シミが付いたら何もせずでできる限り早く染み抜きをちゃんとしてくれるお店へご依頼を。

今回は染み抜きした後、水シミも取ってとやっていきましたが、水で薬剤を洗い流すだけで色が少し薄くなっていきましたので、薄く染色して直していきました。

広げて平らにしてみると若干のムラは見えるかもしれませんが、ほとんどわからないレベルにはできていると思います。

今回はの染み抜き代金は20000円。
最初に代金を載せなかったのは、血液の場合、ついた素材、状態によりかなり金額が変わってくるからです。

シルク、綿麻製品などで、水ですすぐだけでもすぐに色が抜けてしまう製品などの場合、お受けできないモノもあります。

血液の染み抜きは時間との勝負です。
どうしても取らなければいけない服に付いた場合はできる限り早く染み抜きをしてもらう事。

基本、大手のチェーン店、安価なお店の場合だと取れにくくされるだけになりますので」、
信頼のおけるお店で確実に取ってもらう事が大切です。










 
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