
色滲み、色移り取り参考価格(2016年7月現在・税抜き)
お預かりするお洋服素材、状態少範囲から広範囲まで色々とありますので、
基本お見積りとなります。
今回のワンピース色移り取り参考価格 13000円
今回のハッピの色移り取り参考価格 8000円
素材、移った染料の種類により取れないモノもあります。
インディゴ、藍染めの色移り、滲みはとても取れ難くく、
本体が藍、インディゴの場合は色が抜け白けてしまう可能性が高くなります。

おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友眞吾です。
最近、家庭で洗われる方が多くなってきて、洗濯をした際、他の服から色が移っちゃった、色が滲んじゃったと言うご相談がとても増えてきています。
暑くなってきましたので、汗を取るために水洗いを、とされる方が増えているからですね。
普段水洗いをしている服でも気をつけなければいけない注意点があります。
という事で今回の2点も水洗いした際色が移ってしまったというご相談のご紹介です。
このワンピースはインポート製品、ゴムのように伸びるストレッチ素材。
黒い部分はレーヨン100%、スカート部分はポリエステルとレーヨンの混紡です。
洗濯表示は手洗いOKとなっています。
トップスと同じ素材のベルトがあり、濡れた状態でベルトと一緒に吊るしておいたら色がついてしまったと。
かなり広範囲、スカート部分全体に色がついてしまっています。
こちらはハッピです。
ハッピの色滲みや色移りは多いですね・・・
股引(ももひき)、腹掛けと一緒に洗ったら移ってしまったということです。
お祭り用品は品質表示義務がなく品質は作るお店に任せられています。
という事で、色移り取りですが、夏場と冬場では同じ洗濯機、洗剤などを使っても洗浄力が違うってことご存じですか?
インポート製品の場合、水洗いOKとなっていても日本で洗うと色が滲んだり移ってしまったりする可能性が高くなることご存じですか??
一般的に、家庭で洗って色が移ったり滲んだりしてしまった服は取る事ができないと思われていますが、
取る事ができます。もちろん取れないものもありますが、かなり取る事ができるんです。
この2点も取っていきましたので、仕上がり画像とともに、夏のお洗濯の注意点などを少し書いてみたいと思います^^

このワンピースはインポート製品です。
日本ではあまり使われないかな。ストレッチ素材と言うよりゴムのように伸縮する素材です。
表示を見る手洗いが可となっています。
色がどの程度出てくるのかテストした所、染色は予想以上にしっかりとされていました。
色がついてしまった原因は、濡れた状態で同素材の黒いベルトを乾くまで接触させていたからですね。
何度も水洗いしている服でも、濡れた状態で色の濃い吹くと薄い服を接触させていると色は移ります。
特に洗濯が終わり脱水された状態(服同士が絡み合った状態)で数分~数十分)放置してしまうと、
洗濯時には移っていない色も移ってしまいますので止まったらすぐ干す!が大切。

インポートブランド品も夏服の場合は家庭で洗われる方多くなってきています。
レオナール、エミリオプッチなど当店でご相談をお受けする事が多いブランドです。
水洗いをする際、水温、洗剤以外にも注意する点があります。
それはどこの国で作られている服なのか。
服を洗う「水」にも大きな違いがあるんです。
軟水、硬水って聞いたことあるかと思いますが、実は水により洗浄力もかなり変わるんです。
日本は世界でも稀(まれ)と言われるほど洗濯に適した軟水なんです。
軟水は汚れ落ちがよく、硬水は汚れ落ちが悪くなるんです。
服につけられている「色」は繊維からすると元々ついていないものを付けられているので、汚れと同じなんです。
落ちにくく(定着させた)した汚れです。
なので洗浄力の高い(汚れ落ちが良い)洗剤や水を使うと、「染料」と言う汚れも落ちやすくなります。
外国語表記で水洗い可とされている場合、洗浄力の低い硬水でクリーニングテストをされていると、汚れ落ちの良い軟水の日本では色が落ちたり滲んだりしてしまうことがあるわけです。
作られた国では問題ないものでも、環境の違う国へ持ってくると問題が出てしまうこともあるって事です。
こちらはハッピ。
ハッピなど和物は法律で定められた品質表示義務対象外となります。
作ったお店に品質は任せられているってことです。
その他、背広などオーダーで作る場合も同じく、オーダー製品も作る品質はお店に任せられています。
濃い色の服と薄い色の服は別々に洗うって事を実践されている方は多いと思いますが、
このハッピ、全体的には濃紺、でも真っ白の部分もある・・・
こうした服はどっちで洗おう・・・??
正解は・・・1点(単品)洗いです(笑)
白と黒など間逆な色使いをしている服の場合、水洗いをしていくならどんな服でも単品洗い。
他の服からの色移りではなく、服本体から色が移る可能性がありますよね。
失敗をしたくなかったら、この場合は手間はかかりますが1点洗いをしていくこと。
色滲みや色移りを出してしまうと取ってくれるお店も少なく、金額もかなりかかってしまいます。
ここ数日、真夏日(梅雨はどこ行った・・・?)が続いていますが、夏場と冬場では洗浄力にも差があります。
それは、水道水の水温の違いですね。
汚れ落ちは水温に比例し、温かくなるほど汚れ落ちも良くなっていきます。
皮脂汚れなどは40℃位から汚れ落ちが良くなっていきますね。
汚れ落ちが良くなると「染料」の落ちも良くなります。
ご説明は先程の軟水と硬水と同じです。
それともう一つ、説明をされている事がとても少ないけど、重要なことがあります。
それは水に浸けてある(洗っている)時間。
繊維の奥まで完全に水が浸透するまで10分~15分程度かかります。
浸透が進むと繊維は水分を含み膨張して行きます。
糸は細い糸を何本も束ねてねじって(撚って・よって)1本の糸を作っています。
水分を含み膨張し始めると同時に撚りは戻っていきます。
水分は乾かせば無くなり糸も収縮するのですが、撚り(ねじり)が緩むと乾いても元には戻らないため、
毛羽立ち、質感の変化など出てしまうようになります。
短時間で洗えば変化を抑えて洗う事ができますが、汚れ落ちが悪くなります。
繊維の奥まで入りこんだ汚れやシミは水分(洗剤)が浸透しなければ落ちませんので、残ってしまうことになります。
短時間でブラシ掛けなどシミ抜きをしても、表面のみの作業では奥に入り込んだ汚れは落ちません。
落ちないからと強く擦ったり揉んだりすると表面が削れスレも出るし毛羽立ちも出てしまいますね。
これが繊維を傷める一番の原因となります。繊維の奥深く染みこんだ汚れを落とすには多少の風合い変化はある程度しかたないとし、浸け置き洗いなど時間を掛けて汚れやシミを洗剤や酵素の力を利用して分解させてから押し洗いをして洗い流す。
この辺りのバランスが難しいのですが、酷く汚してしまうと繊維の奥まで汚れを浸透させてしまいますから・・・
風合いの変化を出来る限り抑えながら洗い綺麗に着ていくためには汚れる前に洗っていく事だと思います。
クリーニング店も、お洋服の状態を見てどう綺麗にしていくか工程を考え、綺麗にするためにはこうしたリスクがあるなど事前に予測説明をさせて頂き、でもできる限り出ないようにと最善の方法で洗っていきます。
色移り、滲みだけではなく、汚れ残留により変色や汗による変色も、出てしまってから直していくのはとても大変。
出ないよう、出さないようにお手入れをしていくのが一番の方法になります^^