
最初に
バーバリーコートの復元洗いを記事で載せてから何着復元洗いをやったでしょう・・・?
記事を見て、ダメだろうなぁと思いながらも・・・もしかしたらと送ってくる方もいらっしゃいます。
残念ながら・・・
ダメだろうなぁって送られてくる方の
期待を裏切るかのように・・・
綺麗になっちゃってます^^
送られてくるコートは、
どこも受けてはくれない、もうダメですと断られたコートばかりです。
お客さまから毎回メールを頂いてます^^
仕上がりを見て一番よく頂く言葉が・・・
「おぉ・・・」です

メールに、見た瞬間の感想は・・・おぉ・・・でしたと書かれている事が多いんですよぉ(笑)
今回はちょっと違った依頼のコートです。
物凄く遠い方から宅配で送られてきました^^
お父さんから譲り受けた
バーバリーコートだそうです。
20年以上前のコートなのですが、
すごく大切に着られているのが服の状態からよくわかります。
この方にとって、
かけがえのない大切な物・・・なんです。
画像を見るとわかりますが、生地がもう擦れて切れてしまっています。
今回の依頼は、この擦れを何とか直して欲しいというのと、
変色してしまってるところと残ってる汚れを綺麗にして欲しい、との事でした。
そこで今回は!リフォーム店と当店の
コラボレーションです!

一番問題なのは襟です。
色々と修理方法をリフォーム店と一緒に考えました。
一番綺麗に直るのは・・・襟の裏側が傷みもなく綺麗だったので、
裏側生地を表側に持ってこよう!でした
一枚の生地ではなく、真中に継ぎ目がありますが、
変えてしまえば気にはならないでしょう。
お客さまにメールでお伝えしたら、
全てお任せします、とのお返事でした。

襟は裏側を使うことに決定です^^
袖口は、今現在、ちょうどいい袖丈の長さと言う事だったので、
詰めるのは
5ミリ程度でおさまるように内側に折り込んで修理する事に。
メーカーに修理依頼しても、おそらくできませんと言われるでしょう。
どうしたらいいかわからない物は、
プロに相談するのが一番です。
生地の傷み具合、お客さまの希望をお聞きし、
臨機応変に対応できるのが当店のリフォームの売りです!


そして・・・出来上がってきた画像です。
先に復元洗いをすると、擦り切れてる部分が
さらに大きく切れてしまう可能性があります。
先にリフォームしてからの復元洗いになりました。
洗いはまずドライクリーニングからです。
ドライクリーニングで
油性の汚れを綺麗に落とした後、復元洗いをします。
今回は地色が茶系に近い色合いだったので
色落ちをさせないように復元洗い。
変色の様子を観察しながら漬け込んだわけですが・・・
水に濡れると変色が判別できない状態に・・・
シミと地色が同系色だからよけいに見えにくく、時間を決めての漬け込みになりました。
今まで水洗いはされたことがないでしょう。
20年分の水溶性の汚れはさすがに一度では取りきれませんでした。
変色もまだ残っている状態だったので、乾燥した後もう一度復元洗い。
今度はシミが残ってる部分に
白糸で印をつけてから洗いました。
洗いの様子は・・・写真を撮ってる暇がなかったので・・・画像はなしです(;^_^A アセアセ


綺麗に洗いあがっても・・・まだ仕上げがあります
温度をかけて漬け込みするので
多少の縮や変形がどうしても出てしまいます。
最初に蒸気アイロンで型崩れを修正。
アイロンを強く当てすぎるとアイロンによるアタリがでてテカッたり、
縫い目やポケットが表側にモロ出てしまいます。
なるべくでないように
蒸気で蒸しながら修正し、
修正した後、蒸気アイロンでは消えないシワを焼きゴテアイロンで伸ばしていきます。
アイロンの温度は
200℃くらいまで上げています。
左の画像はアイロンをかける部分に霧吹きで濡らしている図です。
濡らした部分を焼きゴテで乾かしながらかけていきます。
濡らして仕上げる事で、水洗いして細かいシワになってる部分を
綺麗に伸ばす事ができます。
縫い目やポケットの跡が出ないように、軽く表面を滑らせるように乾かしていきます。
この仕上げをするかしないかで・・・仕上がりはものすごく変わってきます。
この仕上げする時間で
コート20枚~30枚は仕上げれます・・・。
このお客さまからも喜びのメールを頂いています^^
復元洗いとリフォームで17000円くらいになってしまいましたが、
金額以上に価値ある仕事ができたと思います。
リフォームとクリーニングのコラボです!
まだまだあります!コラボレーション!!
参考価格
バーバリーコート復元洗い 14300円~
インポートバーバリー 19800円~
袖擦り切れ直し(両袖) 4400円~
襟裏返し 4400円~