色滲み・色移り取り参考価格(2017年8月現在 税抜き)
今回のワンピース 全体復元洗い・シミ抜き 16000円
全体的に染まってしまった場合、全体の色滲み等を除去した後、取れずに残った部分をシミ抜きにて1か所ずつ除去していきます。
脇下など、部分的な色滲みの場合は全体ではなく部分シミ抜きにて除去していきます。
全体的に柄の周りに色が滲んでいる場合、目立つ部分のみ除去とご希望の場合はシミ抜きをご希望する場所に記し等を付けてご依頼ください。当店の判断で、シミを探しながら抜いて、というご依頼はお受けできかねます。
最近は色々な材料、染方法があり、取れるモノ、薄くしか取れないモノ、全く御れないモノがあります。
特に2種類の染色材料を使い染められているモノは悪化させてしまう事もあります。
取れる取れないの判断が難しいので、現物をテストしてからのお返事、お見積もりとなります。
おしゃれ工房you友(ゆうゆう) 大友眞吾です。
取れないと思われている、色滲み取のご紹介です。
まだ地元では放映されていませんが、TVでもハッピの色滲み取りが流れていました。
BSの収録ではカットされていましたが色滲み取りをした時、ディレクターから
「素朴な疑問なんですが、どうしてこの色が滲んだシミを本体の色を取らずに取れるんですか??」
と聞かれました。確かに、服の柄から滲んでいる色のみを取っていくって不思議ですよね(笑)
実はこのお店を開業する前までは、今のようにはできなかったんです。
で、取る事ができるようになり、難しい複雑な染めが出てくるようになったら取れないモノが出てきて、それを除去できるようになったらまた難しいものが出てくるようになり・・・追いかけっこしている感じ・・・
今では色々な染み抜き剤が開発されているので勉強しているお店ならかなりのところまで取る事ができると思います。
でも、その薬剤を使っても水洗いで色出が止まらない服、除去できない服が出てきているので、染める技術とか薬剤を染め具合に合わせて作っていく技術も今では必要になってきました。
少し前に高額品が多い某有名ブランドの品質管理資格を持つ方と電話で話をしましたが、服を染める技法も時代ととに変わっている、依頼する、染め工場自体も変わっているとの事でした。
同じように見えても違ってきているから不具合も出てきている。でも依頼していた工場自体が無くなってしまっているから・・・
クリーニング店もお店が違えば仕事内容が変わるのと同じで、工場が変われば仕事も変わってしまうんです。
品質を管理している方と話をすることで、このブランドの服はこうやって洗って行かなければ、というヒントがたくさんもらえます。
そのヒントをもとに水温や薬剤、処理する時間とPHを考えて洗い、色を止め、色が出ても滲ませない方法を考えながら組み合わせてシミを除去していきます。
という事で、ワンピースの色滲み取りです。
たくさんのシミなどがある場合で、目立つ部分のみ取って欲しいとご希望される場合のご依頼事例画像とを撮りましたので合わせてご紹介です^^
画像は和服ですが、白く見えている細い糸がシミ抜きをして欲しいと印されている場所です。
お母さんが小さい頃に着た祝い着とか、もっと古くおばあちゃんとお母さん、自分も着た祝い着を自分子供にも着せて記念写真撮りたいってご相談は少なくないんです。
洗ってしまってあっても、子供の手にはドライクリーニングでは取れない汚れが付いているので、時間とともにシミが浮き出てきてシミだらけになってしまっていることはかなり多くあります。
服と同じで、和服もドライクリーニングなので水溶性の汚れも汗も取れずに残っています。
こんな場合は、撮る角度を決め、写り込みそうな部分のみをシミ抜きで取ったらどうですか?とアドバイスさせてもらっています。
広げて少し離れて見てぱっと見わからなければ写真には写り込みませんから。
気になる部分のみを画像のように白い糸で印をして頂き、その部分のみをシミ抜きしていきます。
服でも同じように、復元洗いできないモノ、復元洗いでは目立たないレベルまで取る事ができないシミなど、糸で印をして頂いた部分のみを除去していきます。
白い糸で、というのは、シミ抜きはかなり強くなるので、糸の色が滲み移る事があるからです。
たくさんシミがある場合、目立つ部分だけとご相談されることも多いのですが、目立つ部分が取れると、次に目立つ部分が気になるようになります。よく見ないとわからないシミの場合、見落としてしまう事もあります。
後でトラブルの原因にもなりかねないので、複数個所ある中の一部のみと言ったご依頼の場合は糸で印を付けてご依頼くださるようお願いしています。
長くなってしまいましたが・・・
仕上がりです^^
写真だと写り込まない部分もあるのですが、白い部分は全体的に赤ピンクっぽく染まっていました。
今回は全体的に白い部分の白さが復元できた時点で全体処理を終わり、一度乾燥させて確認をしています。
除去方法はほんと服により状態が違うので色の出方を見ながら1点手作業で臨機応変にやっていきます。
乾燥しないとうっすら残っている部分などが見えなかったりします。
あるいは乾くと生地の厚さにより見えなくなるモノもあります。
防縮剤、色止め加工剤、色が出た時に滲んだり移ったりを抑える色移り防止剤など状態に合わせて組み合わせています。
ご相談を受けする時、お客様は何とか取ろうと色々な苦労話をお聞きします。
色柄物漂白剤(酸素系漂白剤)でシミ抜きや浸け置き漂白までしたけど取れなかったってお話です。
ヤフーとかの知恵袋など見てみると、酸素系漂白剤を使ってって話が確かに出てきますが・・・
色柄も安心!って宣伝している酸素系漂白剤です。
色柄は落ちないです!って事だから・・・酸素系漂白剤を使っても取れることはないんです。
でも、取れたって話も出てきます。
染料は色を定着させる際、熱定着、染料を繊維に結合させるフィックス処理と言われる科学的な結合で定着させています。
基本、染める時の温度に比例して定着力は強くなっていきますが、高温にするほど繊維に出る影響、コストもかかるようになります。
定着させる時の最低必要温度があり、例えばシルクの場合だと40℃から定着する目安があります。
低い温度で定着させると、定着温度に近づく、超えると、色が突然出てくるようになります。
風合いの良いシルクほど色が出やすくなりますが、例えば80℃~100℃という高温で染色すると繊維が縮んだり締まったりなど良い風合いを作る事が難しくなったりします。
っとまぁ、色々とありますが・・・
最低定着温度は繊維により異なるわけですが、製品化させた服を見てわかるモノではありません。
ちょっと話がそれましたが・・・
酸素系漂白剤で取れたというのは、酸素系漂白剤を使わなくても取れたんです。
染料は水温(熱)とアルカリにより溶け出すんです。
取れた時と同じ条件で酸素系漂白剤を同じ位のPHのアルカリ洗剤に変えても取れたって事です。
少し専門的な話になってしまいましたが・・・
酸素系漂白剤を使っても染料のシミは取れないですよ、ってお話でした。
洗い終わって他の服から色が移っちゃった!って気が付いた場合、洗濯機で洗い直す場合なら40℃程度のお湯を入れ、2倍程度の洗剤を入れてすぐに洗い直すとかなり取れたりします。
服の色柄が滲んでる場合は悪化しますのでやってはダメです・・・
シミ抜きができるお店へ相談してください。