英国屋スーツ水洗い
英国屋のオーダースーツです。
作ったばかりのスーツに
味噌汁をこぼしてしまいこの状態に・・・
クリーニング店へ依頼したけど取れる事無くほぼそのままの状態で帰ってきてしまったとの事。
お客様が困り、英国屋外商の担当の方が相談を受け当店へ。
英国屋さんがお客様からご相談をお受けすると当店へ持って来てくださるようになりました^^
英国屋さんで扱っているお洋服は高級品ばかりなので、
お客様からシミや汚れが取れないなど、ご相談をお受けする機会は多いようです。
今回はかなり広範囲に味噌汁が付着しており、しかもそのままドライクリーニングされた様子。
この状態の服をドライクリーニングしても・・・洗う意味はありません!!
特に味噌汁の場合、
味噌が繊維の目の中に入り込んでしまうため、
前処理で表面をブラシがけしてドライクリーニングしても残ってしまいます。
何度か繰り返して取れたとしても・・・味噌汁の臭いが取れずに残ってしまうんです。
シミや汚れは見えないけど・・・着ると味噌汁のほのかな香りがって・・・嫌ですよね
作ったばかりのとても高級なスーツですが、
シミだけではなく臭いも綺麗にとるために水洗いさせていただきました
水洗いと言っても一点手洗いですので、味噌を綺麗に洗い流すのに結構手間がかかります。
画像も撮りましたので、紹介したいと思います^^
まずは洗剤に漬け置きします。
長い時間漬け込む訳ではなく、
押し洗いして味噌が繊維から
離れてくれる程度の時間を見計らっての漬け置きです。
少し時間を置いて押し洗いすると洗剤は茶色に
一度洗剤を作り変え、もう一度漬け置きです。
画像は2度目に漬け置きした時の画像です。
そしてすすぎです。
当店の場合、
高級品の水洗いは別料金で頂いていますが、
その理由は
一点ずつこうして
手洗いをしていくからです。
「風合いの変化は出る」とお客様には必ずご説明させてもらっていますが、
水洗いによる風合いの変化はお客様にはほとんどわからない程度だと思います。
ただ、細かな部分までしっかり見れば、やはり少しの変化は出ています。
中にはそういった細かな部分までしっかり見るお客様もいらっしゃいます。
お客様も着ていらっしゃいますし生地も少なからず傷んでいます。
何かしら支障が出てしまった物を扱う仕事です。
新品に戻す事はできませんので、お客様には「多少の変化は出ます」と
ご説明、ご了解のうえで洗わせて頂いています。
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