シルクコートクリーニング しみ抜き、変色取り

You友 大友 眞吾

2006年08月23日 22:22


店主の友達が、独立して大変だろうと仕事仲間の服を
預かってきてくれました!

中綿入りのシルクのハーフコート^^
裏地にもシルクが使われてます。

このタイプのシルクは着心地がとってもいいですね
それに何より軽い♪

ただ、シルクと言う生地は高級品なのです。

最近ではかなり金額の安い商品も売られるように
なりましたがシルクはシルク。

その扱いはクリーニングの中でも最も難しい生地です。


同じシルクでもパジャマのように水洗いOKになってる物、
水洗い不可になってる物と色々あります。
シルクの糸は同じでも糸の撚り(より)が全然違うのです
どんな糸でもそうですが、目に見えないような細い糸を何本も束ねて撚って
一本の糸になっています。

風合いを出すためにその糸の撚りを弱くしたり、パジャマのようにしっかりきつく
撚ってあったりと様々です。

弱い糸の撚りは水を含むと膨張します。
強い機械力をかけたりこすったりするとすぐに糸がバサバサになったり、脱色、縮み、
変形等が出てしまいます。

パジャマ等、水洗いOKになってる品物でも実際普通に水洗いすると
シワシワになってしまいます。
シルクのブラウス等はアイロンをかけないと着て出かけられないですよね

今回のこのハーフコート。汚れもシミもひどく、変色も出ています。
シルクは糸が細く弱いので袖やすそ回りも生地が切れてしまっています。


汚れやシミがひどいのは、
普通に洗うだjけでは汚れやシミが
ほとんど取れないから。

シルクは変色も出やすく、
紫外線や排気ガス等で
変色します。

綺麗にしようと思うと
半端な手間では出来ない
素材なんです。

最近はUVカット加工されている服も出ていますが、日焼け止め効果以外にも
紫外線による変色や脱色を防ぐために加工されてるものもあります。

お客様が気に入っているこのコート、綺麗になるのならまた着たいとの事^^
汚れ、シミ、変色はすごいけれど、友達がわざわざ預かってきてくれた服。
かなり気合を入れて洗わせていただきました。

シミ抜き機でとにかく汚れてる個所やシミをシミ抜き処理。
生地の性が抜けている可能性もあるのでとにかく機械力は
一切かけられないのでこの作業だけで30分はやっていました。

その後に変色や色むらがなるべく均一になるように
薬品へ漬け込みます。
裏地もシルクで柄がついていたのでとにかくこまめに
チェックしながら長時間漬け込みました。

色合いが揃い、シミがほぼ取れたのを確認したら丁寧にすすぎます。
中に綿が入っているので水を含むとかなり重く、生地が破れないか
冷や汗物でした
案の定裏地の2箇所がはじけました

両方の袖口周りも擦り切れていたのですが、洗う前にお客様の了解を得ていたので
はじけた箇所だけをリフォーム職人に依頼して直してもらいました。

が、リフォーム屋もさすが職人です!
裏地のはじけた箇所だけを依頼したにもかかわらず、両袖の擦り切れも
縫い込み修理してくれました^^ しかも依頼した箇所のみの代金で♪

やっぱり職人さんの仕事ってこういうものなんですね^^ 嬉しくなります

上手いですよぉ、いつもやってもらっているリフォーム屋さん!
洋服や和服をばらしてからの仕立て直し、作り直しとかまで出来てしまう腕が
あるので、ほとんどの事が出来てしまいます。

リフォームとクリーニングを組み合わせる事によって
いろいろな事ができますよ♪

安価で使い捨て感覚の時代ですが、お気に入りの物やかけがえのない物、
お金では買う事が出来ない思い入れのある物は使い捨てる事できませんよね^^


そんなこんなで
仕上がったこのコート。

お客様にお渡しする時には
「性が抜けているようで、
次回はこの作業は出来ない
と思います。」とお伝えしました。
(ドライクリーニングのみなら
大丈夫だと思いますが・・・)

でもでもシミもほとんどとれ、
色も見違える様な綺麗なピンクに
なりました

お客様にお気に入りの一着を依頼された時、何とかしてあげられるように
これからも技術と知識に磨きをかけていきたいと思います。


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