【洗い指定以外の工程に伴う保証について】

復元洗い等、洗い指定以外の工程を含む処理についてはクリーニングの保証対象外となります。
生地が耐え切れず溶けてしまったり、直せないほど変形してしまう等、
想定外の不具合が出てしまった場合は代金は頂かずご返品にはさせて頂いていますが、
弁償等の保証は一切できません。 それぞれ詳しく説明させて頂きますのでご了承願います。

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ウールコート復元 黄ばみ・臭い取り~革付きコートの黄ばみ取り・臭い取り~

ウールコート復元 黄ばみ・臭い取り~革付きコートの黄ばみ取り・臭い取り~

ウールコート全体黄ばみ直し

今回のコート
参考価格(2021年1月現在。税抜き) 20000円

革部分取り付け取り外し 1セット2000円×4=8000円


ウール漂白、結合酸素除去、ウール増白加工、抗菌防カビ加まで

コートのデザイン、織などにより金額は変わります。


ウールコート復元 黄ばみ・臭い取り~革付きコートの黄ばみ取り・臭い取り~

おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友 眞吾です。

白い服の色直し、黄ばみが取れるか?って相談が増えています。

綿製品など水洗いができる素材でセーターやトレーナなど小さくて扱いやすい服なら漂白すればかなり綺麗にできるので受けるお店はあると思いますが、高額品になると一気に少なくなり、コートとかスーツになってもかなり少なくなります。

さらにウール製品など水洗いができない素材になると受けるお店はほとんどなくなります。

今回のコートは購入して4~5年程度とおっしゃっていたかな。

あまり着ておらず毎年クリーニングに出していたけどどんどん黄ばみ臭いも・・・ってことでしたが、たしかに新品時の風合いがそのまま残っているし、、色も新品時の色を知らなければとてもきれいに見える状態のコート。

ご相談内容は黄ばみとニオイをとってほしいというご相談ですが実際に色を直してみた事で、新品時に比べこんなに黄ばんでいたんだとわかりました。

ウールコート復元 黄ばみ・臭い取り~革付きコートの黄ばみ取り・臭い取り~

今回は届いたコートを見てすぐに思ったこと・・・簡単には行かないじゃん・・・(汗)

パッと見てわかる通り、ループ状の紐に角のような形のモノを通し前をとめるようになっています。

で、表示を確認するとループ状のものは牛革、角のようなものは本物の角の削り出しです。

簡単に考えれば、手間だけど取り外して取り付ければいいじゃん、なんだけどこれ、ボタンと同じような感覚ではできないんです。

革紐は売ってるから取り替える?・・・これも今後のことを考えると問題あり・・・


今回は仕上がり品がお客様の手元に届いてすぐ、喜びのお電話を頂きました。

その時に聞かれた内容もお客様からよく聞かれることだったので、この辺りを合わせてご説明させて頂きます^^

ウールコート復元 黄ばみ・臭い取り~革付きコートの黄ばみ取り・臭い取り~

まずはこの革が問題だけど、表示にドライクリーニングOKとされています。

この表示は服の保証書の役割をしていて、法律基準に則ってクリーニングテストをし不具合が出ない洗い方を記すよう法律で義務付けられている、服を購入する際にはとても大切なものです。

指定通り洗って不具合が出た場合、メーカーが補償しなければいけないという法律があります。

とても大切なものなのに当店で説明すると知らない方がほとんど。販売側から説明されることもなく教えてくれる人もいませんので覚えておいてください。

今回の場合だとこの革と角部分が問題ですが、メーカーがドライクリーニングしても大丈夫という保証のもとに洗うことができるわけです。

革から色が滲み出たり革が硬化して固くなるって当たり前にあります。
だから付属品に皮革が付けられていると水洗いもドライクリーニングもできない表示になっていたり、購入後のお手入れが高額になったりできなかったりするんです。

ウールコート復元 黄ばみ・臭い取り~革付きコートの黄ばみ取り・臭い取り~

この品質表示の洗い指定をみることで服の品質というか服を作るメーカーの考え方もみることができると思います。

洗い指定が全部に☓が付けられている服が時々ありますが、買った後のメンテナンスのことまでは考えていないなって私は判断します。

例えば小さな革の装飾が付けられているだけでクリーニングができなくなる。クリーニングできる革は高くなるし不具合が出ると法律的に補償しなければいけなくなりますから・・・洗えない表示にすれば保証義務がなくなるんです。

服の保証書である表示を見ることでメーカーの服作りの考え方や品質までわかるんじゃないかなって考えています。

今回は単純に洗うだけでは改善できないため、全て取り外してからの復元洗いとなりますが、洗った後に他の革を取り付けるとお客様がクリーニングに依頼した時、固くなったり色が滲んだりする可能性があるなと・・・

洗ったクリーニング店にも迷惑かかってしまいますから・・・今回は外す時、再度取り付けができるよう糸切りから丁寧に革に負担をかけないよう外していきました。

革は縫われた穴がそのまま残るため、縫い直す際には同じ穴に糸を通していきますが、細い革なので丁寧に外さないとボロボロになり縫い付けができなくなるんです。

ウールコート復元 黄ばみ・臭い取り~革付きコートの黄ばみ取り・臭い取り~

当店の場合、特殊洗いをすることが多くボタンも割れたりしないよう取り外して洗うことが多いんですが、外すだけもかなりの手間がかかるんです。

今回は角ですが、クリーニング不可となっている場合、この角にしても木にしても塗装されていると色が取れて別の色になったりします。

ボタンについても、「たかがボタンで・・・」的な話し方する業者もいますが、角の削り出しボタンもあれば宝石の原石から削り出して一式作っているボタンもあり、ボタンだけで数万円とかありますから、たかがボタン、されどボタンです。

今までで最高金額だったボタンは飾りボタンでしたが1つ5万円・・・5個付けられていたのでジャケット一枚のボタンだけで25万円でした!!


今回はコートが白なので、糸から色が出てつかないよう取り付けてあった糸も毛抜で抜き取り、取りきってから復元洗いです。

ウールコート復元 黄ばみ・臭い取り~革付きコートの黄ばみ取り・臭い取り~

工程的にはまずはしみ抜きしながらドライクリーニングで皮脂や油性系汚れを落としています。

防縮加工をしてから、水洗いで水溶性の汚れを落とした後、ウール漂白をしています。

漂白効果は汚れにも反応してしまうため風合い変化が出ないよう低濃度の酸化剤で効率よく漂白できるよう先に汚れを落としています。

という感じで、ウール漂白後に、結合酸素による黄ばみ除去、消臭殺菌洗いウールは元々色が黄ばんでいたりくすんでいたりするものなので、綺麗な白さにするためのウール増白、風合いや光沢を出すための加工、コロナ菌も不活性化する抗菌加工とやっていますが画像は一枚(笑)

今回は乾燥した後に再度やり直しがあったためかなりの手間をかけて洗い上げています。

ウールコート復元 黄ばみ・臭い取り~革付きコートの黄ばみ取り・臭い取り~

この革・・・取り付けがすごく大変でしたぁ・・・妻が取り付けたので大変だったのは妻ですが(笑)

生地とは違い革を縫い付けるのは色々と大変なんです。特に今回は外した革を取り付けているのでかなりの手間がかかっています。

縮みや型崩れも出ているので修復仕上げ。この修復次第でお客様の手元に届いた時の印象がかなり変わります。

臭いもそれほどひどくはなかったけど温まると首元から少し臭いが出てくる感じだったかな。

臭いのご相談の場合、スチームで良く蒸すことで、熱と水分が繊維に入り込み冷めているときには臭わないニオイが出てきます。

完全に取り切れないものもありますがニオイはほぼ無臭にできています。

ウールコート復元 黄ばみ・臭い取り~革付きコートの黄ばみ取り・臭い取り~

今回は遠い九州からのご依頼でしたが、一昔前のクリーニングの利用方法では考えられないですね。

手元に届き仕上がりを見てすぐにお電話を頂き、「ここまできれいになるとは思わなかったラブ」と喜んで頂けました^^

同時に「また黄ばんだりしないようにお手入れをしていくにはどうしたらいい?」というご質問もありました。

当店に依頼すれば黄ばみがでないか?とも聞かれましたが、今回の黄ばみは空気中の酸素結合により黄ばんでいた部分が大きかったので、この黄ばみは無酸素パックとか真空パックでもしない限り防ぐことができないんです。

特にウールの白は必ずといっていいほど黄ばんでいきますし、水洗いをしていっても少しずつ色は変化していきます。

その変化は汚れによる酸化黄変、空気中の酸素結合による酸化黄変、ウールをきれいな白にするウール増白剤の剥がれなど色々なんです。

1つ言えるのは白い服は熱乾燥すると酸化速度が一気に早くなるため早く黄ばんでしまうってこと。

ウールの白、獣毛製品はあまり着ていなくても熱乾燥されることで黄ばんでしまうんです。

自然乾燥してもらえれば、黄ばみが出るのはかなり抑えられ白さが長持ちします。

数回のクリーニングでなんか黄ばんだ感じがするって言うのも、気のせいではなく熱乾燥される事で実際に黄ばみが進んでいます。

白いTシャツとか子供の体操服とか、自分の子の服だけ黄ばんでいるって時々ご相談がありますが、
お話を聞くとご家庭で乾燥機を使っている方が多いんです。

原因は水洗いでは落ちきらない汚れの蓄積。
熱乾燥することで一気に酸化が進んでしまっているんですね・・・ 汚れているほど黄ばむんです。

常温で乾燥させる服の何十倍も加速して酸化するからです。

ハンガーで干し自然乾燥させるといきなり黄ばむ事はなくなります。





 
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