革ジャケットクリーニング参考価格(2021年1月現在・税抜き)
革ジャケット・革ブルゾンクリーニング 8500円~
皮革ドライでのカビ取り +3000円~が目安
革ジャケット・革ブルゾン水洗い +50%~
カビの侵食が進んでいる場合 +100%~
円~
ブランド品・高額品は+50%~100%が目安
部分染色・全体染め直し等、今回のような修復は状態・範囲。などどこまでやって行くかにより金額が変わってくるため要お見積もりとなります。
おしゃれ工房You友(ゆうゆう) 大友 眞吾です。
今回は特殊品をクリーニング店から受けているお店からのご相談です。
型崩れ、特に衿がよじれた感じになっているため納品できず・・・
皮革製品、毛皮製品って自分の工場で洗っているクリーニング店ってほとんどなく、専門店へ外注依頼となります。
外注依頼の場合、クリーニング店から預かり、専門店へ依頼「仲介」を仕事としているお店もあります。
クリーニングに限らずだけど、大元の会社があり、そこからまとめて仕入れる業者、仕入れたお店は個人店へ小分けして卸し。小分けして仕入れたものを一個単位で販売するから、私達は1つずつものを買うことができるわけです。
今回はクリーニング店から集める仲介業者が専門店へ依頼し仕上がったこの革ジャケットを届けたところ、この状態ではお客様に渡せないとクリーニング店からクレームが入ってしまったという流れです。
お客様には外注依頼したなんてことは関係なく、そのクリーニング店を信頼して依頼していますから、不具合があればそのお店の不具合になるんです。
逆にいい仕事をしてくれると、その仕事はそのお店の仕事となりお客様から信頼される仕事になるんです。
ここ、すごく大事・・・
技術を売りにするクリーニング店って他のお店からの依頼は受けないってお店は多いんです。
断る理由は書いたとおり・・・そのお店の技術として認識されてしまうからです。
だから私の父も、そのお店の技術なるから受けない、と他店からの依頼のほとんどは全て断っていたんです。
信頼できる親しいお店からの依頼だけは受けていました。
外注依頼する仕事でも自分の仕事として受けるお店はどんな仕事をされているかも熟知しています。
だからちゃんとした説明もしてもらえるし、お客様からの希望内容も自分の仕事として依頼をしてくれるんです。
自分の希望通りのことを依頼してもらえるかどうかで仕事も違ってきます。
自分でする仕事でも専門店へお願いする仕事でも、お客様の疑問や質問にちゃんと納得できる答えと説明をしてくれるお店が信頼できるお店になると思います。
今回の革コートは当店もお世話になっているお店からのご相談でしたので、「できる限り直してみるね」ということでお受けしました。
お客様からお預かりしたクリーニング店が、お客様へ渡す前に仕上がりを見てストップを掛けたんです。
クレームって言葉を使っちゃったけど、依頼したお店がお客様の手に渡る前に厳しい目でチェックしていたって事です。
多くはというより、ほとんどのお店は乗せてある画像の仕上がりでお渡ししていますが、クレームになるようなひどい状態ではないんじゃないかな。
依頼したクリーニング店がストップかけた仕上がりから、仕上げし直した仕上がりの違いはどうか・・・
今までは
シミや
汚れは気にされても
仕上げってあまり重要視されていなかったから「仕上げが悪い!」ってクレームになることって殆どなかったんですが・・・
最近は風合いなど質感、型崩れなど仕上がリまでの品質を求めるお客様が増えてきているのも時代の流れかなって感じたりしています。
実際、今のこの時代で生き残るためには、
お客様が選んでくれる仕事ができないとダメじゃないかなって思います。
外注依頼する仕事にしても、そのお店が仕上がりの品質まで管理してくれるお店なら、同じ依頼先に依頼していたとしても品質は違うんですって事例です。
並べると違いはあるけど、革だからBeforeも別に問題ないと思います。
革ってこの程度の使用感と言うかこれで着てしまえばおかしくないし、色があせたり禿げているわけでもありません。
外注依頼するお店ってそれなりに大きな会社になるし、1点手仕上げしている訳ではありません。
お客様はクリーニング店の仕上げって家庭で掛けるアイロンと同じように1枚ずつアイロンで仕上げているって思われている方いらっしゃるようですが、仕上げは全く違います(汗)
例えばYシャツ1枚100円~300円くらいですが・・・1枚ずつ仕上げていたらこの金額ではできませんから・・・
Yシャツなら洗い濡れた状態から乾燥、仕上げまで2~3分程度でできる機械設備をしています。
Yシャツを数百円で仕上げるために数百万する機械設備が必要ですが(汗)
今回、外注先での仕上げを見てお客様への納品にストップがかかった一番に理由はこの衿。
beforeは少しねじれたような感じになっているのがわかると思います。
きっちり仕上がった状態で着たい服もあれば、きちっとせずカジュアルな感じで着たい服もあると思います。
お客様からご依頼される時に、カジュアル的な感じで仕上げてほしいって依頼されるお客様もいらっしゃるし、どっちがいいのかな?って思う時はお客様にお聞きします。
衿のあるこのタイプのジャケットはスーツと同じだからきっちりと仕上げた衣服ですね。
カジュアルに着るブルゾンならきっちり仕上げなくてもいいだろうし実際ほとんどの革製品は服と同じような仕上げはされないんです。
革をアイロンで仕上げる??? 型崩れや縮みを修復できるの???って聞かれるのが革製品。
クリーニング店にとって革はまだまだ特殊品の一つなんです。
今回は一通り手仕上げで修復していますがアイロンを当てると表面の質感というか表情が変わります。
袖は一番稼働する部分だから痛みも出るししわにもなります。
beforeの袖画像を見ていただくとわかりますが、仕上げる前は表面が少し荒れた状態になっているため光沢が消失しています。
アイロン仕上げするとこの荒れによる凹凸が整い平らになるため光沢が出てきます。
例えば白いTシャツにアイロン掛けるとしわが伸びるだけではなく新品時の時に近い光沢も出てくるんです。
手仕上げするお店と機械仕上げするお店との仕上がりの大きな差になります。
なんか、「綺麗な仕上がり」とか「出すたびに綺麗になって帰ってくる」って感じる方はちゃんとした理由があるんですね!
こちらも見比べていただくと一目瞭然の違いがあります。
革製品も水洗いを宣伝しているお店見かけますが、このジャケットも水洗いされていると思います。
クリーニング店でも水洗いすることが綺麗になり、技術もある的な説明や宣伝しているお店よく見かけるけど・・・
私はそうは思っていません。
今回は革製品なので、革で言えば、洗い方は大きく分けて3種類の方法で洗い分けています。
どれが一番いい方法か?って、
お客様のご希望や服の状態にあった方法が一番いい方法だと思うからです。
例えば、革製品を持ってこられたお客様で一番多いのが、「どうしたらいいですか?」ってご質問。
特別汚れてもいないけどお手入れしたいって方もいらっしゃるし、何十年も洗っていないからと相談される方もいます。
当店が考える革製品のメンテナンスは、
「革が持っている油分の入れ替え」です。
古いオイルを取り新しいオイルを入れていく事です。
この説明するとお客様はちょっと驚いた感じで納得されるんです。
だって、油って揮発も遅いし腐るでしょ?
知っている人は知っている、バブアーのオイルを染み込ませた服の臭いは油の腐が原因。
高温多湿の日本に持ってくると不具合が出てしまうインポート製品ってたくさんありますが。。。この話は長くなってきたのでまたの機会に・・・(汗)
革は水洗いをすると皮を取った個体の違いが出てくることがあります。
すべての皮を同じ個体からとっているわけではないので縫い目ごとに違う質感や色に変わったりするんです。
製品化する前に目詰めされるので、生きている時のケガや虫に食われた傷など見えなくなるのですが、水洗いして繊維が膨張すると元の形状に戻ろうとするため洗う前になかった傷が出てくるんです。
しわのなり具合や色の差が出てくるのは人の肌の色がみんな違うのと同じ。
肌の質感も人それぞれ違うのと同じで水洗いすることで化粧を落とした後のように本来の個体の表情に戻るんです。
この画像部分も修復前は見比べると左右違っていたのがわかりますが修復して直しています。
この修復方法は革の製造元のセミナーに参加した際、ヒントをもらい直すことができるようになった技術の一つです。
長くなったけど、革をクリーニングに依頼するとき、こんな説明された経験あるって方どれくらいいるのかな?
洗いあがってきたら縫い目ごとに色合いや質感が変わった、革靴を洗ったら左右の色が変わったなどあります。
ムートンブーツなど左右の色が違っちゃったって時々ありますし、受ける際に気を付けてみるとすでに違っているものあります。
事前説明ができていればお客様はほんとだぁ、って感じで納得もして頂けますが何かおきてからの説明ではクレームになってしまうんです。