ルイ・ヴィトン 革付きカシミヤコートクリーニング&風合い・毛足直し
今回の参考価格 15000円(税抜き)
毛足が乱れているだけのモノ、ドライクリーニングで脱脂されパサパサになってしまったモノ、毛布のような質感に変わってしまったモノなど、色々な状態があります。同じお洋服をご依頼される場合でも、汚れがひどい状態、黄ばみが出てしまっていたりカビが生えてしまったり他のお店へ依頼して脱脂されていたりなど状態が違います。
通常ドライクリーニングは油性系の汚れを除去、脱脂されるため油分が抜けていく、光沢が消失するなど変化が出てきます。抜けた油分を入れる作業は基本されることがありません。油分を入れていく場合、毛皮洗いをして全体へ油分を補給するという作業になります。
長年愛用しているカシミヤで水溶性の汚れの蓄積により固くなってしまっている場合、水洗いしないと改善できません。また、臭い除去の場合も水洗いしないと改善できないので、詳しくはご相談ください。
おしゃれ工房you友(ゆうゆう) 大友 眞吾です。
日本テレビで放映されたあと、ブログの閲覧数変化はPVに出ています。
来訪者数は1日に何度見て頂いてもカウントは1、PVはページ移動して頂く回数分が増えていきます。
PVが放映される前と比べかなり増えていますので、初めて見てくださった方がいろんなページを見てくださっているって事になります^^
なので、以前の投稿と重複する事もあると思いますが、また頑張って更新をしていこうと思います!
更新した際にはFBでご連絡をしていますので、更新を知りたい方は友達リクエストしてください^^
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TV局から希望される取材は難しい特殊なモノとか思い入れ深いモノなど、普通のクリーニングではないモノばかりとなりますが、ブログのいろんなページをご覧になられた方からのご相談で最近多かったのは高額品やブランド品のクリーニングのご相談なんです。
このルイ・ヴィトンの革付きカシミヤコートも40万位でご購入されたとの事。
アルマーニ、エルメス、モンクレールやヂュペチカなども洗うのが怖くてってご相談がたくさんあります。
このブログでご紹介したブランドと同じブランドを愛用している方からのご相談がやはり多いんです。
シャネルばかりを愛用されていて、シャネル推奨店?っていうお店に依頼していたお客様がいらっしゃり、当店へ一度取れなかったシミをご依頼されて以来、ずっと当店へ依頼をして頂けるようになりました。
クリーニング店はどのお店も仕事は違い、当店は高級品をクリーニングする事を前提に洗いから仕上げまで行っています。ドライクリーニングは洗うのが難しい和服洗いと同じ方法でブランド品をクリーニングしています。
水洗いでもドライクリーニングでも全品防虫抗菌加工をしており、自然乾燥をしていますので乾燥だけで最短3日~4日程度かかります。
高額品の汗取りなど水洗いはたとえTシャツでも1点ずつ手洗いをしています。
どうして手間のかかる作業をしていくかって、こういう仕事をして欲しいって望まれるお客様がいらっしゃるからです。
クリーニングの仕事の中で、一番難しく手間がかかる作業は仕上げる技術なのですが、あまり重要視されない部分。BSTVドキュメント取材でも今回の日テレ取材でも、仕上げも収録されていたのですがどちらもカットされて放映はされませんでした(汗)
高額品のご相談も多くなってきましたので、今回はルイヴィトン、カシミヤコートの毛足の乱れ修復など写真を撮りながら仕上げていきましたのでご紹介です。
機械仕上げだけなら数十秒で済むのですが、丁寧に仕上げていくと1着30分以上かかります。
手間をかけての仕上げ工程をご覧頂ければ仕上がりの違いが一目瞭然でわかるのも納得して頂けると思いますので、ブランド品のクリーニングを躊躇されている方がいらっしゃいましたら是非ご覧ください^^
上の画像の前画像を載せたのは、まず仕立てが裏地のない一枚仕立てになっているから。
全く同じ素材を使ったコートがあったとしても、裏地ありと一枚仕立てでは品質的に2ランクは上になります。
理由はまたの機会でご説明しますね。
風合いの良い毛足のあるコートってアイロン仕上げされるとぺちゃんこになるって思われてる方も多い様子。
上の上画像を見て頂くと腕の関節部分のしわが見えますね。
このシワを風合いを変化させることなく伸ばして仕上げていきます。
上左画像はスチームで繊維を蒸している工程。家庭用アイロンと比べスチーム量は何十倍の量と強さで出続けます。毛足のある繊維は良くスチームで蒸すことで折れ曲がった繊維が起きて元の形に戻ります。
寝起きの髪が寝癖付いた時、水分を吹き付けてドライヤーで熱掛けて直したり、髪を洗えば直りますよね。
理屈は同じで水分と熱=スチームで毛足を立たせて直していくんです。
毛足が立ったら、スチームを含んでいる状態でブラシ掛けし毛足をそろえ整えていきます。
髪の毛だってドライヤーで乾かしながらブラシ掛けして整えていきますよね。同じように整えていくって事です。
毛足をブラシで整えたら手で撫でながら含んだ蒸気を追い出します。
蒸気が抜けると繊維は整った状態で固定されるので手触りと風合い、光沢も良くなった状態で仕上がります。
カシミヤ独特の柔らかさを壊すことなく、右画像にようにシワも綺麗に修復できます。
こちらは肩部分。
着用時に肩にバックを掛けたりなど、シワができる部分もあります。
こういったシワも袖と同じようにスチームで毛足を起こした後、ブラシで整え手で撫でてスチームを抜いて仕上げ、とそれぞれの形に合わせて型崩れがあれば修正しながら仕上げていきます。
こちらは右背中部分ですが、毛足がかなり乱れています。
スチームで蒸してけあしを起こして・・・
切り返し(縫い目)ごとに形状が違うため細かく分けデザイン通りに仕上げていきます。
座りシワなどもあれば同じように修復しながら仕上げていきます。
左画像は右背中部分の仕上がり画像です。
右画像は裏側に皮革が付いていたエリ部分。
皮革が付いているので大量にスチームを含ませ熱を掛けると革が縮んだり変形したりしてしまいます。
革に影響が出ないよう、スチームを調節しながら毛足を起こし直していきます。
ブランド品の場合、女性の服ってブラウスでもジャケットでもコートでも、柔らかい丸味を帯びたデザインになっている事が多いです。なので袖でもスーツのエリでも丸く膨らむように仕上げていきます。
おしゃれなお客様の場合、綿ブラウスでも袖や脇に線を付けてしまったら怒られてしまったりします。
丸く膨らみがあると優しい感じの仕上がりになるのは間違いないですね^^
そして仕上がりです。
一通り手仕上げした後、こうしてトルソーに着せてるのは写真を撮るためではないんです。
ブランド品は人の体が入った時のデザイン(3Dデザイン)で作られていますので、トルソーに着せて全体のバランスとかデザイン、着せてみたいとわからないシルエットなどを見て確認をしています。特に特殊洗いをした時は形を見て直してまた着せて、と繰り返しながら形を修復していきます。
袖のシワは毛足のある服を着ているとどうしても出来てしまいます。
強いシワになりすぎていたり、擦れてしわの形通りに毛足が抜けている場合は綺麗に直すことができなくなります。
また、一度アイロンなどで押さえてぺちゃんこになってしまっている場合も綺麗に直すことはできなくなります。
今回は一通りのお手入れと手仕上げをしていきましたので金額は15000円です。
包装も通風性のあるファスナー付きの不織布、ハンガーも肩パットが入っていないので型崩れしないよう肩幅を合わせて厚手のハンガーを使用。
毛足のあるコートは全品ブラシ掛けして毛足は整えて仕上げていますが、ブラシ掛けで整えるのと毛足を起こして整えていくのとでは手間が全く異なりますので金額も変わります。
油分が抜けてぱさぱさになってしまった、油分が抜けて色が薄くなってしまったコートは毛皮と同じように油分を入れる事でかなり風合いは良くなりますが、当店で直していく風合いに変わります。
依頼するお店により仕事内容は異なりますし、同じドライクリーニングと言っても全く違います。
お客様の望まれる仕事はお客様により違うのと一緒です。
たとえ世界一品質の良い仕事をしたとしても、そこまでを望んではいないお客様にとって満足はして頂けません。
早くて便利で安価なお店もあります。手間をかけて洗い仕上げるお店もあります。
当店は手間をかけ質感、風合いを損なうことなく綺麗に洗い仕上げて欲しいと望まれるお客様を前提に、今の手間をかけるクリーニングを続けています。
希望通りの仕事をしてくれるお店が一番満足できるお店となります^^
希望に合ったお店を上手に選んでください!