シルクスカーフクリーニング代金参考価格(2016年11月現在・税抜き)
シルクスカーフ 1500円~
ブランド品は+50%~100%
フサ付きシルクスカーフ 2500円~
ブランド品は+50%~100%
小判、大判、ショールタイプなどありますので大きさにより金額が変わります。
おしゃれ工房you友(ゆうゆう)大友眞吾です。
今回はクリーニン店からのご依頼品です。
色々なご相談、事故品などが出てしまった場合の修復などご相談があります。
ご依頼品を当店で洗ったり仕上げたりシミ抜きをするだけではなく、技術的な部分を担当の方にアドバイスをさせてもらっています。
少し前に今回と似た感じのモノを当店で預かり修復した事があり、その時に今回のような「フサ」が付いているモノについてアドバイスをさせて頂きました。
そして今回は、当店へクリーニング依頼としてお受けさせてもらいました。
素材とかデザインにより臨機応変に対応していくって経験値も必要になるからチェーン店には難しい作業になるんです。
一枚はエルメスシルクスカーフ、もう一枚はフサが付いています。
服にも付いているものありますし、今日お受けした和服の帯揚げにも付いていました。あと、御仏壇の敷物にもついている事が多いですね。
同じようなデザインのものを持っていらっしゃる方も多いと思いますが、例えば今回のように同じシルクでも扱いやクリーニング代金って違うんです。
と言うか、同じように洗うと元通りに仕上げられないものもあるんです。
という事で、じゃぁ、フサ付きをどう洗うか?それと時々 質感や光沢が消失したってご相談がありますが、その原因は?についてご紹介していきたいともいます。
エルメスのシルクスカーフです。
綺麗にシワを伸ばすためには、霧吹きで少し水分を吹き付けてから、アイロンで乾かしながら仕上げていきます。
これは綿、麻製品も同じく、スチームだけでは強い折れシワや細かなシワなどが伸びないんです。
家庭でもアイロンを掛けられますが、コツは・・・
形は四角ですが大きいと形を直していくのが難しいです。
縦横をwしっかり伸ばしたあと、柄を見て崩れていないかの確認をしてから掛けていく。
ストライプ柄などはストライプを真っ直ぐにして掛けていきます。
注意点は光沢があるモノは全てに当てはまりますが、水分を付着させるとそのまましみになるモノがあります。
シルク、レーヨンなどはよく出てしまいます。
濡れるほど水分を付着させてはダメです。
水シミは水洗いできないものに作ってしまうと簡単に取る事ができなくなります。
よくあるのがネクタイかな・・・水で叩いたりしてできたシミはクリーニングに依頼してもほぼ取れずに帰ってきます。
水分を吹き付けての仕上げは光沢のある、家庭で洗えないものはやらない方が良いかな・・・
消臭抗菌スプレーなども同じですので、光沢のある服は注意。
綺麗に仕上がったら、畳崩れしないよう、一枚紙を入れて畳んでいきます。
畳み方も崩れないよう一工夫しています^^
さて、もう一枚のフサ付きの、スカーフというよりショールタイプですね。
このフサが絡まらないようにこうしてまとめてから洗っていきます。
糸って細い糸を束ねて依って(よって・ねじること)一本の糸を作っています。
さらにその糸を束ねて依ってって糸は作られています。
依った糸が解けて細い一本一本がバラけて絡まると解けなくなるんです。
クシなどで解くしか無いのですが、バラけた糸を元通りに依って、束ねてまた依ってって直していくことは難しいというかおそらくできない・・・
フサの先端を指で触ると固くなっています。バラけないように接着剤で留めてあるのですが、確実に絡むのはこの留めがないもの。留めがあっても使っているうちに劣化して剥がれたりしてきます。
今回も触ると固く指に当たる部分もあれば留めが無くなってる?って部分もありました。
保護して洗うことで右画像のように絡まることなく洗う事ができます。
エルメスのスカーフはそのまま洗えますがフサ付きはそのままでは洗えないんですね。
よく、シルクの光沢がなくなったってご相談をお受けしますが、こんな感じ。
このスカーフはお客様がご自身で一度水洗いをされたとのこと。
赤く色が付いているのは赤い花部分の色が付いてしまったんですね。
今回のご依頼は洗いのみでシミ抜きはしないとのことでしたのでそのまま仕上げていきます。
水洗いをすると表面に細かなシワができます。
光沢のある状態では細かなシワが無いんです。
右画像の右側が仕上げ前、左側が仕上げ後です。
シワを綺麗に伸ばせば質感や光沢、色合いまで変わって見えます。
失敗とかだめになったとかではなく・・・仕上げ方次第って事になります。
一通り仕上げが終わったら、フサ部分もスチームでよく蒸した後まっすぐに揃えて直し、仕上げていきます。
エルメスのスカーフと比べフサがあると、洗う前の準備、仕上げ方も変わってくるんです。
こちらも畳んで包装した後に畳崩れが出ないよう、一枚紙を挟んで畳んでいます。
CISの担当の方が取りに来られ、一目見てぜんぜん違う!ってお客様と同じように喜んでいらっしゃいました(笑)
このフサは根本から束ねて依ってあり、そこで一度留められてからフサになっています。
先端も留められており形状的には絡みにくいようにと作られています。
だからネットに入れて洗えば絡まないかもしれないのですが・・・
当店は一度絡まってしまうと綺麗に直せない、ということを前提に洗っています。
評判の良い、上手なお店なら、当店と同じように不具合が出ない工夫して洗っているものはたくさんあります。
どんなものでも不具合が出ないように洗っていくから、評判の良いお店なんです^^
細かなことって1点手作業でやるしか無いから、その分金額も高くなります。
同じシルクのスカーフでも、形状やデザインが変われば洗い方も変わっていくんです。
ちなみに、シルク製品って服でもスカーフでもネクタイでも、食べこぼしのシミ程度の物でも、洗うだけで取れることはありません。シルクはしみ抜きもされることがない素材となりますので、汚れもほとんど落ちずに帰ってくる、そんな素材です。
当店でも同じく、依頼されたシルク製品の汚れやシミを全てクリーニング金額内で落としているわけでありません。
シルク製品の場合、シミは1箇所ずつしみ抜きで落としていきますので、シミ抜き代金が別途かかります。