絹ちりめんの和服です。
ちりめんと言うのは表面が文字通りちりちりっとした感じになっています。
普通の服でもちりめんで作られている物もあり、
素材は
シルクであったり
レーヨンであったり
トリアセテートであったりと、色々です。
この和服は、着る予定がありしまいこんであったのを出してみたら・・・
かなりきつく折りジワがついてしまっていたとの事。
そこで、クリーニング店へしわ伸ばしを依頼したところ・・・
「ちりめんはここまでひどい折りジワになると消す事はできません」と断られたとの事で
当店に「なんとかならないでしょうか?」と相談がありました。
クリーニング店がそう言うって事は・・・もしかしたら消せないのか・・・?と一瞬戸惑いました(^^;
一応、同業者が断ったと聞くと簡単には伸びないのではないかと・・・
とりあえずご来店いただいて広げてみると、確かにきつい折ジワができていました。
が・・・それより・・・いちばん右の画像・・・
裏地を見てみるとかなり生地があまっていて下のほうは完全に袋状態になっています。
表生地がこりゃかなり縮んでいるな・・・と・・・。
・・・シワ伸ばしより修正する方がめちゃくちゃ大変じゃん
そこでお客さまと相談した結果、着るに支障がないようならこのまま仕上げ、
支障が出るようなら着ておかしくない程度に修正する、と言う事でお受けしました。
シワが消せるとか消せないとか・・・縮みを見た瞬間から忘れてましたが・・・(^^;
今回の折りジワについては
きつく付いているから消せない
とかいうレベルではなく・・・
なんて言うか・・・
普通に仕上げればいいだけ・・・
おいおいヾ( ̄o ̄;)って感じ
一応プロが消せないと断ったと
聞けば、普通に消せるでしょ♪と
思っても、もしかしたら何かある
のかもって思ってしまうんです
でも、この着物をお客さまが他店へ持っていって簡単に仕上げられちゃったら・・・
店の信用がなくなるって考えたりしないのでしょうか・・・?
!(・。・)b もしかしたら顔のシワも消せるかも!?・・・ 無理でしたm(_ _)m すみません
トンボ(着物用ハンガー)にかけて少し修正しなきゃと
見てみたところ・・・思った以上に・・・
思った以上以上以上に縮みがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・
いったいどこのどいつが洗ったんだ?ドイツ人か???
(さ・・・さぶい・・・失礼しました
)
和服を洋服と同じに洗ってないか???
いったいどうやって洗ったんだろ??????
と・・・とりあえず吊るしたままの状態でバランスを見ながら
およそで縮みを伸ばしていきます。
蒸気をかけながら伸ばして・・・蒸気をかけながら伸ばして・・・伸ばして・・・伸ばして・・・
いったい・・・誰が洗ったんだー・・・ひーどーすーぎーるー・・・(T.T)
バランスを見ながらおよそで修正した後、アイロン台で
再度修正しながら仕上げます。
が・・・平らにしてみるとまだ表生地が縮んでいて
反り返っています。
裏地に対して表生地が短いので引っ張られて
こういう状態になるのです。
表生地を少しずつのばしながら
修正してほぼ平らな状態に・・・。
トンボに吊るして確認すると・・・
まだ少し表生地が出し足らず・・・
まさかここまで縮んでいるとは・・・
確認不足でした・・・ヾ(_ _。)
ちりめんに限らず
和服はかなりデリケート。
乾燥機を使うクリーニング店はいくらなんでもないと思いますが、
洗い方次第でかなりの縮みが出てしまいます。
特にちりめんは縮みやすく、自然乾燥させれば縮まないと思ってるクリーニング店、
汚れを洗いだけで落とそうとするクリーニング店に依頼するとこの状態になります。
和服の襟、袖、裾回りの汚れを、手間をかけず洗うだけで落とそうとする店だと、
汚れも落ちず、縮みだけが出た状態で返ってきます。
和服は一度広げると畳むのが面倒で、最近では畳みかたを知らないって方もいらっしゃり、
クリーニングから帰ってきても広げて確認する方はほとんどいらっしゃいません。
まして縮みなんかは広げて吊るして確認しないとわからないものなんです。
ようするに・・・畳んでしまえば広げるまでわからない・・・です。(10年経っても発覚しないかも・・・)
高級服の洗い方って和服洗いの考え方と同じなんです。
和服はほんの些細な事ですぐに縮み、下手にこすると色抜けします。
高級服だって和服に比べたらかなり頑丈に作られています。
どんな高級素材の服でも和服洗いと同じように考え、手をかけて洗うことができれば、
風合いの変化も縮みも出る事はないのです。
和服クリーニングは高額です。
きちんと和服洗いをするとなると、洗うと言う工程だけでは縮み変形なく
綺麗に洗い上げる事ができないからです。
ただ、和服と言うのはどこの店でも高額だからと、
仕事内容に関係なく高額に設定してるお店もたくさんあります。
この和服も、この状態になっていても・・・金額は当店と変わらない金額だと思います。
そういえば開業当時、和服の金額を聞きにきた方が何人かいらっしゃいました。
喪服で5500円~、訪問着で6800円~で設定してあったと思いましたが・・・
高かったのか・・・それっきりでした(^^;
しまってある時間が長い和服は金額以上に仕事の内容の方が大切なんですが・・・。
先日、ブランド服ばかり大阪から宅配で送られてきました^^
「通常クリーニングと別洗いとどう違いますか?」と聞かれました。
通常クリーニングだろうと別洗いだろうと、
風合いが一度で変わったりおかしくなったりするような洗い方はしません。
ほとんどのお客さまは見ても違いはわからないのでは?と思います。
ただ、
洗う工程、仕上げは全然違ってきます。
別洗いの場合、
何十回続けて洗ったとしても風合いの変化が出ないように、と考え洗っています。
考え方は和服洗いと同じで、汚れやすい個所、変色が出やすい個所、汚れてる部分を
全てシミ抜き処理してから洗っていきます。
そのため、短時間の洗いでも綺麗にする事ができ、風合いも変化することなく、
変色もでないように予防する事が出来ます!
だったら・・・通常クリーニングはしてないのか?と言われると・・・答えはイエス・・・になります。
通常クリーニングと言うのは基本的には
洗って仕上げるだけなのです。
家庭で洗う時、一枚一枚汚れが目立たない服までブラシがけをして洗っていますか・・・?
言葉にすると手抜きと思われがちですが・・・
みなさんが通常利用してるクリーニングと言うのはそう言うものなのです。
ただ、その通常クリーニングでもどこまで手をかけていくかは、そのお店次第と言う事です。
当店がどこまで手をかけてるかは・・・
他店のロイヤルとかデラックスを利用されてる方いらっしゃいましたら一度比べてみてください^^
お客さまに「ゆ~ゆ~さんを知って出してみた人はラッキー
だと思うよ^^」と言われました
クリーニング代もシミ抜きも代も高いと思ってる方^^確かに大手と比べたら安くはないです(笑)
安さを売りにしていません! 技術を売ってるつもりです♪
だから・・・高いだろうと思って出してください(笑) そうすると・・・
「お金を払ってクリーニングに出すならゆ~ゆ~へ出そう♪」って思ってもらえるのでは
ないかなと思います